＃137 ページ44
『だから言ったじゃん…イタチだって怒ったら凶暴なんだから』
「次からはドライバーとガンナーを分けねぇとな…射撃は頼むぞ、千葉」
「お、おう…」
あ、なんか…
千葉無理やり付き合わされてる感すごい…
どんまい…
「開発にミスはつきもの…」
イトナはマジックペンを取り出し、機体に何やら書いている。
「糸成1号は失敗作だ。
だが、ここから紡いで強くする。
100回失敗してもいい…最後には必ず殺す。
よろしくな、お前ら」
もう、勝利や力への執着のなくなったイトナは、普通の中学生だ。
何度失敗してもいい、一度殺せばそれだけでいい。
寺坂から教わったことを、きちんと受け止めているみたいで、よかった。
『ところで、何かお忘れではないですか、男子の皆さん…』
「ん？…逢坂、どうし…」
私が最初の場所に戻って、男子たちに目線を向けると
「あ」、と声をそろえた。
「そうだった…！！逢坂が女子だってことを忘れていた…！！！」
『やっぱり忘れてたんだ！？』
「頼む、逢坂…！このことは女子には秘密に…」
私はスマホのライン画面を見せて
『ごっめーん、昨日の会話全部女子に送っちゃったー
あ、ちなみに、さっきまでの会話も今さっき送ったよ』
私は満面の笑顔で言った。
男子たちは何度も「ごめん」と繰り返す。
『女子だって忘れてた男子が悪い』と一蹴。
『ほんとありえない…女子だと思われてないってこと…？』
「俺はわかっていたからわざと覗きの話には入らなかった」
『それに関しては男子全員同罪だから…』
イトナも計画に参加はしてたわけだし…？
「Aから聞いたよ…」
「男子さいてー…」
私がイトナの頭に肘を乗せてると、次々に女子が教室に入ってくる。
「ちょっと…誰が言い出しっぺ？
まさかイトナくんじゃないでしょうね？」
メグが男子に問い詰める。
「岡島だ」
イトナは自分は関係ない、とでもいうように言った。
まぁ、あってるけども…
「おはようございます。
あ、岡島さん、魚眼レンズで撮影した補正プログラム、お渡しできますよ」
律が起動して、岡島が主犯だと判明。
律は何も知らなかったんだし、この計画に参加したことにはならないってことで…
「何やってんのー？」
女子が男子に説教をしてる中
ノロノロと眠そうな顔をしたカルマが入ってきた。
「あ、いや…ちょっと色々あって…」
『ま、大方男子数名が悪いんだけどねー』
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作者名：Suu | 作成日時：2020年4月7日 1時
