【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅲ (ページ43)

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＃136 ページ43

「車体の色が薄いカーキなのも目立ちすぎるな」
「これは戦場迷彩だね…学校の景色に紛れないと標的に気づかれる恐れがあるな」

「引き受けた。学校迷彩、俺が塗ろう」
「ラジコンは人間とはサイズが違う。快適に走り回れるよう、俺が地図を作ろう」

めっちゃ真剣に暗殺の話してるように見えるけど…
これってスカートの中を覗くための作戦なんだよね…
せっかく黙ってれば顔はいいやつばっかなのに、こういうのをイケメンの無駄遣いっていうのか…

「みんな…こういうことになると我を忘れるんだな…」
『私まだいるのにねー』
「ほんとに、ゲスいね…」

磯貝と渚だけは、この話には入ることなく、静かに見守っていた。
私はその二人の横で録音しながら見守る。

『昨日はいいネタが撮れてよかったよ』

私は翌日の朝6時半、教室で群がる男子たちを見つめた。

「おう、昨日の間に足回り仕上げといたぜ」
「みんな、朝飯作ってきてやったぞ」

私は律に少しもたれかかってことが進むのを見守る。
相変わらず私には触れないよねー見えてないのかなー…

「どうだ？この学校迷彩」
『おおー。流石だね菅谷』

私は話に入るつもりはなかったが、菅谷の学校迷彩が気になって少し覗きに行く。

「わかってるのか、これは暗殺のための計画なんだからな！」
「わかってるわかってるって、委員長～。
　よし、女子たちが登校してくるまでにテスト走行するぞ！」

女子たちって…私も女子なんだけど…
もしかして女子として見られてないとかそういう感じ？

戦闘機は学校の裏山に走って入っていった。
イトナ、いい感じにクラスに馴染めてるみたいでよかった。

「イトナ、みんなで開発したんだ。機体に開発ネームでもつけないか？」

開発ネームか…
なんか昔弟も作ってたな…懐かしい。

「…考えとく」

イトナは無愛想にそう言って、画面に視線を戻す。

「ほらぶつかったー！寺坂全然ヘタじゃん！」

どうやらどこかの岩にぶつけたらしい。
私もイトナの後ろに回って画面を見る。

画面に影ができてカメラを上に向けると…

『あ、イタチ…』

男子たちは騒いで「化け物」だの「撃て」などと叫んでいる。

『撃ったらイタチ怒るんじゃ…』

私がそう言ったものの遅く、何発かイタチに向けて撃っていた。
狙いはバッチリだ…

しかし案の定イタチは怒って、また木村が走って回収し
教室に戻ってきた頃には機体はボロボロになってしまっていた。