【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅲ (ページ41)

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＃134 ページ41

放課後…殺せんせーは上海ガニを食べに行くと言って窓から飛び立っていった。

私も帰ろうと鞄を肩にかけた時、横からかちゃかちゃと音が聞こえた。

「イトナくん、帰らないの？」

渚と前原が話しかけにいったのと同時に、私もイトナの後ろに回ってその作業を見る。

何やらラジコンの戦闘車を作ってるらしい。
ただのラジコンかと思いきや、中身はすごくハイテクで…

さすが工場の息子…って感じだった。

『すっごい…これ全部イトナが作ったの？』
「こんなのは、寺坂以外誰でもできる」
「あぁ！？」

毒舌なのは相変わらずって感じだけど…
ちょっとずつ、このクラスにちゃんと馴染めてる。

組み立てていた戦闘機を床に置いたかと思うと
持っていた操縦用のリモコンを操作し動かし始めた。

『おおー』

流石あれだけの組み立てをしてただけある…
すごく使いやすそうだし、動きも素早い。音もほとんどない。

そして最後には狙いを定めて、教室の隅に置かれた
ジュース缶を3つ、一気に打ち抜いた。

…こんな正確な狙いを定められるとは…

「でも、これで狙えるとして…一体どこを」
「一つ、お前らに教えてやる。
　狙うべき理想の一点…ターゲットの急所だ」

急所…
殺せんせーに詳しいシロに育てられたイトナだからこそ知ってる…のか？

でも、確実に今までで一番最重要な情報に違いない。

「奴には心臓がある。
　位置はネクタイの真下…そこに当たれば、一発で絶命させられる」

まぁ、そこに当てるのがまた難しいんだけどね…

「こいつは使えるな…」
「あぁ…よし、暗殺に備えて試運転をしておこう」

確かに、これは使えるかも…
暗殺には結構有効活用できそうだし。

『でも、ちょっと撃った後の匂いが気になるかも。
　一応ラジコンだし、無理に攻撃力を上げようとするとその分火薬の匂いが残る』
「…そこも改善点だな。逢坂は詳しいのか」

私はイトナの戦闘機を持ち上げて言った。
イトナも私の意見を受け入れてくれたみたい。

『…まぁ、遊びに行くのを禁止されてたから…
　弟たちが作ってるのを手伝ってたこともあったし、自然と知識が…』
「…そうか」

苦笑いを浮かべ、遠い目をして言う。
イトナは一言いったきり、詮索はしてこなかった。
…こうやって何も聞かないでいてくれる方が気楽だけどね。