＃130 ページ37
「な、なに？」
「見えない…！」
突如として巻き起こった煙に私も対応できず、
ゲホゲホ、と咳き込むことしかできずにいた。
「イトナを泳がせたのも予定の内さ、殺せんせー」
煙が晴れてきた頃、声がする方を向くと、シロがいた。
やっぱり、このまま下がるわけないとは思ってたけど…
私たちなどお構いなしで対殺せんせーBB弾が撃たれる。
当たりそうで怖い…
私たちが煙と銃弾で混乱している内に、
シロは謎のネットをイトナに被せ連れ去って行った。
私たちが咳き込みながらも路地裏から出ると
殺せんせーは
「イトナくんを助けてきます」
そう言って飛んでいった。
『はぁ…』
「大丈夫？A」
『ん、大丈夫…』
「俺らを庇って、回避反応が遅れたんだ」
「シロのやつ…とことんコマにしやがって…」
カルマと寺坂がそう言った頃には、周りの煙も晴れていた。
『私たちも追いかけよう。あのままじゃ、イトナが危ないよ』
「でも…どうやって」
『どうって…そりゃ、走るしかないでしょ？』
私がそう言ってスマホを取り出すと、みんなは目を点にしていた。
1人の男が木から転げ落ちるのを合図に、次々に男たちが倒れていく。
イトナの居場所を律に調べてもらって、クラスのみんなにも一斉にメールを送った。
『殺せんせー、大丈夫ー？』
私も1人の男の上に乗りつつ、そう言った。
みんなが快く了承してくれてよかった。
おかげでスムーズに倒せる。
「なんで…お前ら…」
ネットに包まれたイトナが弱々しくそう呟いた。
「勘違いしないでよね。シロのやつにムカついただけなんだから。
殺せんせーが行かなかったら、私たちも放っておいたし」
速水ちゃんが無表情で言い放った。
それに対し後ろで岡島たちは…
「こっちみてていいのー？シロ…
撃つのやめたら、ネットなんて根本から外されちゃうよー？」
カルマに言われ、シロは後ろを向くが遅く…
ネットを出していた機械は、殺せんせーが壊していた。
「皆さん、よく来てくれました」
前原と磯貝がイトナの方へ向かう。
「ネットで触手が溶かされてる…！」
「すぐ出してやるからな！」
さて、あとはシロだけ…
「去りなさいシロさん。イトナくんはこちらで引き取ります。
あなたはいつも周到な計画を練りますが…
生徒たちを巻き込めばその計画は台無しになる。
当たり前のことに早く気がついた方がいい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Suu | 作成日時：2020年4月7日 1時
