【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅲ (ページ35)

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＃128 ページ35

そう言ったシロは何かを考え込むように黙り込んだ。

『…まるでイトナの事モノみたいに扱うんだね、シロ』

触手に取り付けられたグローブ…イトナの意思が関係してるかは知らない。
イトナは殺せんせーを殺して、ころせんせーより強いという事実さえあればいいのだから。

だけど、あんなの触手に負担が大きいはず…
それに周りのシートだって、殺せんせーと同じ触手を持つイトナにとっても危ないはず。
まるで使い捨てみたいに…

『…まさか、これで倒せなかったらイトナのこと捨てる気でいるんじゃ…』

私がそう呟くが、周りには聞こえてないようで、みんなあのシートの中を気にしている様子だった。

そう、さっきまでずっと触手攻撃を続けていたイトナの動きが止まり
シートの中から光が漏れ出していた。

シロにも何が何だか分からないようで、困惑していた。

そして、その光が爆発、とまではいかないが、レーザービームのように天へと消えた。

私たちは眩しくて目を閉じて光が消えるまでまった。
光が落ち着いてゆっくり目を開けると、さっきまであったシートは消え
殺せんせーがイトナを抱えシロと向き合っていた。

「彼をE組に預けて去りなさい」

殺せんせーは珍しく真剣な顔をして言い放った。
…と思ったが、後の「私が下着泥棒ではないという情報を流してください」で台無し…
カエデもそんな必死に自分のカップ数教えなくていいから…男子いるから…

少しの間沈黙が続いたが、その沈黙を破ったのはイトナだった。

殺せんせーの腕から転がり落ちたイトナは頭を抱え「痛い」「脳みそが裂ける」
などと叫んでいた。

『これやばいんじゃ…』
「度重なる敗北のショックで触手が精神を蝕み始めたか…ここいらがこの子の限界か」

そう呟いたシロの言葉を私は聞き逃さなかった。

「さようならだ、イトナ。あとは1人でやりなさい」

そう言ってシロは歩いて行った。

『ちょっと、あの状態のイトナを放っていく気！？』
「待ちなさい！あなた、それでも保護者ですか！」

私と殺せんせーが必死に止めるものの
「モンスター」「私はお前を許さない」
そう言ってシロは出て行った。

あいつ…！

「危ない！」

殺せんせー声が聞こえ目線をやると、イトナの触手が迫ってきていた。
物凄いスピードで近づいてきていた触手は殺せんせーによって弾かれた。

イトナはそのまま何処かへと飛んでいった。