【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅲ (ページ25)

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＃118 ページ25

私はふと思って、後ろを振り返る。
すると案の定後ろには誰もいなかった。

『…カルマ？』

途中までは一緒にいたはずなんだけど…
どっかではぐれちゃったのかも。

私がさっさと進んでたからかな…

『おーい、カルマー？』

返事をしても返事はなく、ただ私の声が反響しただけだった。
おかしいな…

カルマならまだしも、私方向音痴だし、下手に動いたらこれ以上に迷うかもしれないしな…
仕方ないし、このままここで待とうかな。

私は洞窟の壁にもたれかかるように座り込んで、誰かが来るのを待つ。
私たちが入った時には、もう烏間先生とビッチ先生のペアも終わって、出てくるところだった。
多分、私たちで最後だったし…

もしかしたら私が先に帰ってるかもと思って、カルマ先に帰っちゃったんじゃ…
そうなったら殺せんせーも戻ってるだろうし…ここで1人、かも。

そう思ったら、さっきまではなんともなかったのに、急に怖くなってきて。
立ち上がって私も戻ろうと思ったけど、方向がよくわかんなくなって結局何もできず再度座り込む。

このまま誰もこなかったらどうしよう…

『ダメダメ、こういうこと考えるから怖くなって…』

怖い気持ちを抑えるため、なんとかして気を紛らわせようとする。
だけど結局一度頭に浮かんだ考えは消えることはなく…

『カルマ…』

と、力なく呼んだ。
呼ぶだけできてくれるんならいいんだけど、生憎そうはいかないもの…

「…やっと見つけた」

声が聞こえて、伏せていた顔を上げると汗だくで息を切らしているカルマがいた。

『あ…カルマ』
「あ、じゃないよ。何してんの…」
『…カルマとはぐれてから、みんなのところに戻ろうと思ったんだけど、道わかんなくて…
　私、方向音痴だし、下手に動くよりも誰かが来てくれるの待ってたほうがいいかなって、思って』
「…立てる？みんな待ってるから戻ろう」
『うん…あのさ』
「なに？」
『腰抜けちゃった』

私が苦笑いで言うと、カルマは何も言わずに私をおんぶして歩き出した。

「…ごめん」

カルマが小さい声でそう言った。
ごめんって…

『なにが？』

迷って迷惑かけたのは私だし、謝るのってどちらかといえば私の方なんじゃ…

「あー…わざと、1人にしてみたっていうか」
『…は？』
「Aが怖がってるところとかあんまみたことなかったし、
　ちょっと驚かしてやろうかなってやってみたらまじでどっか行っちゃって」