【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅲ (ページ23)

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＃116 ページ23

『カルマ、隣座ってもいい？』
「おーいいよー」

浜辺に座っているカルマの横に座って
ザザ…と波の音がなる海の上には、大きい箱がある。

『今、あれに殺せんせーがいるんだよね』
「みたいだねー。どう？殺せると思う？」
『うーん。殺せんせーのことだから脱出して
　「せんせーは遊んでないので今から遊びましょう」とか言ってくるんじゃない？』
「あは、わかる」

防衛省が完全防御形態の殺せんせーを海の上に閉じ込め、暗殺を狙うらしい。
もうすぐ24時間経つし…

『あのさ、あのホテルでたくさん助けてくれてありがとね、カルマ』
「どういたしまして、帰りのヘリで寝ちゃった時は流石にびっくりしたけどねー」

流石にほぼ1時間、感染してるとバレないように振る舞うのは体力を使うことだったし、
何よりも多分安心して疲れがどっと出てしまったんだろう。

『それでね、今まで考えてたんだけど』
「何を？」
『修学旅行の時の返事』

修学旅行の旅館でカルマに告白されて以来、ずっと考えていた。
しゅうがくりょこうがおわっても、カルマはいつも通りに接してくれるし。
…まぁちょっと接触は多くなったけど。

「…ちゃんと考えてくれてたんだ？」
『意外でしょ。私だって乙女だからね』

カルマと話してると、こういう場面でもどうしてもふざけてしまう…
私は深呼吸をして、体ごとカルマの方を向いた。

『私も好きだよ、カルマ』

私はカルマの目を見て、しっかりと言葉にした。
一緒にいると楽しくて。
いつもかっこよくて。
いつも守ってもらってばっかりだけど。
心配させてばっかりだけど。

優しく笑ってくれるカルマのことが好きだと気がついた。

「…うん。ありがと、A。俺も好き」

優しい顔で、優しい声で返してくれた。
なんかさっきまでは全然だったのに、急に恥ずかしくなってきた。

私が手で顔を隠してそっぽを向くと
「照れるタイミング違うでしょ」
と、カルマはなぜか後ろで爆笑してた。

結局私もそれにつられて笑っちゃったんだけど。

ドカン、と海から爆発音が聞こえ、目線をやると
殺せんせーを隔離していた建物から煙が出ていた。

『殺った…？』
「…いや」

カルマが指を刺した方向には、いつものように殺せんせーを囲むみんながいた。
真ん中で嬉しそうに笑ってる殺せんせーは、いつもの巨大な姿に戻っていた。

私たちも殺せんせーの元へ行き

『やっぱ殺せんせーはこの姿じゃないと落ち着かないね』

と笑った。