【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅲ (ページ22)

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＃115 ページ22

お前たちを信用するのは生徒たちが回復してからだ、そう言って烏間先生は
ヘリに男たちを誘導した。

「なーんだ、リベンジマッチやらないんだ、おじさんぬ？」

カルマが勝負したおじさんぬが横を通る時言った。

「俺のこと、殺したいくらい恨んでないのー？」

そう言って両手にからしとわさびを持って悪魔みたいな顔になる。
イキイキしてんなぁ…

私にはよく聞こえなかったが…
おじさんぬはカルマに一言言って頭をぽん、と叩いてからヘリに乗り込んだ。

「誰かがお前を殺す依頼を寄越す日を待つぬ
　だから狙われるくらいの人物になるぬ」

おじさんぬが乗り込み、ヘリは空に上がって行った。
結局最後まで「ぬ」は抜けてなかったし、最後まで掴みどころのない人だったけど。
なぜかその時は、この人たちはかっこいい大人だ、と…

空から降ってくる銃弾を見ながら思ってしまった。

私たちも後に来たヘリに乗り込み、ホテルで寝ているみんなのもとへ帰る。

そのヘリの中で

「寺坂くん、A…ありがとう。
　あの時声をかけてくれて…間違えるところだった」

渚がそう言った。
寺坂はふ、と笑って

「1人欠けたら、タコ殺す難易度上がんじゃねーか」
『それに…クラスメイトが殺人犯とか、私嫌だし…』

渚は困ったように笑って「ごめん」と返事してくれた。

あの後私はヘリの中で眠りにつき、起きたのは次の日の夕方だった。
ホテルの一室から出て、外に出ようと廊下を歩いて玄関に向かう。

夕日で光る海が見えてきて、浜辺に足を踏み入れると

「A」

後ろから声をかけられて振り返った。

『カエデ。おはよう』
「おはようじゃないよ、心配したんだからー！」

私がおはよう、というと勢いよく抱きついて、少し怒っていた。

『あはは…ごめん…』
「Aがヘリで寝ちゃった後、赤羽が部屋まで運んでくれたのよ。
　あっちで今1人みたいだから、お礼、言いに行きなよ」

カエデの後ろから速水ちゃんがチラッと顔を出して、私に言った。
指差した方向には確かにカルマが1人、浜辺で座っていた。

『…うん。いってくるね』

いってらっしゃい、と2人が手を振ってくれて、私も振り返す。