【暗殺教室】あなたの視線の先には。Ⅲ (ページ21)

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そう言ってヘリポートに登ってきたのは、私たちが倒してきた殺し屋たちだった。

烏間先生が前に立って相手をしようと殺し屋たちに言った。

「お前たちの雇主は既に倒した。戦う理由はないはずだ。
　俺も十分回復した、生徒たちも十分強い。これ以上互いに被害が出ることはやめにしないか」

烏間先生が頑張って説得しやっと…と思いきや
「あぁ、いいよ」とすんなりと和解(？)した…

「ボスの敵討ちは、俺らの契約に含まれてねぇ。
　それに言ったろ。そもそもお前らに薬なんぞ必要ねぇって」

薬は必要ない…？

『だけどこのウイルス…進行したら死ぬって…』

確かに電話で鷹岡が言っていた。

「お前らに盛ったのはこっち…食中毒菌を改造したものだ。
　あと3時間くらいは猛威を振るが…その後、急速に活性を失って無毒になる。
　ボスが使えと指示したのはこっちさ。これを使えばお前ら、まじでやばかったけどな」

そう言って毒使いの男は両手に毒を持って言った。
さらっと言ったけど…それって要するに、

『あんたたち雇い主に逆らったの…？』
「このウイルスを使う前に3人で話し合ったぬ。
　ボスが設定した時間は1時間。だったらわざわざ殺すウイルスでなくても取引はできるぬ」
「お前らが命の危険を感じるには十分だったろ？」

なんでそこまでして…
そもそもボスに逆らうなんて裏切り行為になるんじゃ。

「あいつの命令に逆らったの？お金もらって、そんなことしてもいいの？」

ひなたちゃんが一歩前に出て聞く。

「アホか。プロがなんでもお金で動くと思ったら大間違いだ。
　もちろんクライアントの意に沿うように最善は尽くすが…
　ボスは最初から薬を渡す気はないようだった」

まぁ…そんなことだろうとは思ってたけど。
どうせ鷹岡のことだし、薬を渡す気なんてさらさら無かったに違いない。

「中学生の大量殺人の実行犯になるか、プロとしての評価を落とすか…
　どちらが今後の俺たちにリスクがかかるか、冷静に図りにかけただけよ」

プロってこうゆうことなんだ…
ちゃんと自分の意思で戦うか、ボスの手駒になるか…

「まぁそんなわけで、お前らは残念ながら誰も死なねぇ」

毒使いは渚に何かを投げ渡した。

「その栄養剤、患者に飲まして寝かしてやんな。
　倒れる前より元気になったって手紙が来る程だ」

その時ちょうどヘリが到着し、ヘリポートに風が巻き起こった。