＃104 ページ11
「2人一気に倒さないと、連絡されるぞ」
「わあってるっつーの」
烏間先生がそう言うと、寺坂はバッグを漁りながら
「おい木村、逢坂。
あいつらをちょっとここまで誘い出してくれ」
「えっ、なんで俺！？」
寺坂が指示したのは私と木村。
『木村はクラスで1番足が早いから、煽ってすぐ逃げ出せばいいけど…
私はどうして指定されたの？走るのは得意だけどさ…』
「んなの、木村だけの煽りじゃ心元ねぇからに決まってんだろ。
お前のそのご自慢の毒舌の最適な活かし方じゃねぇか」
そんな適当な…
まぁいっか。確かに木村だけで煽れるとは思えないし…
「じゃあ木村、こう言ってみなよ」
カルマが悪い顔で木村に耳打ちする。
私はその場で考えろってか…
『じゃあ行ってくるけど…ちゃんと倒してよ？寺坂…』
「うるっせぇはよ行け」
なんか不安だけど…
私は木村と2人で歩いて監視の前まで行った。
コツ、コツ、と響く足音。
監視もそれに気づき、こちらを向く。
「あっれぇ〜？脳みそくんがいないなぁ〜？
そこの奴らは脳みそまで筋肉だしぃ〜」
『もーやめなって〜！脳みそまで筋肉つまってんのに
人間様の言葉が分かるわけないじゃ〜ん。こいつらただの豚みたいだし？』
「人の形してんじゃねぇよ、豚肉どもが」
『切り捌いてたべちゃおうかな〜あ、でも美味しくなさそうだし…やっぱ無理』
私と木村はそれだけ言って、後ろを向いて…
速攻で走り出した。
後ろからは男たちが追いかけてくる足音と声が聞こえる。
「よし、今だ！」
後ろから寺坂の声が聞こえて、立ち止まって振り返ると
吉田と寺坂が男にまたがって首元に何かを当てていた。
『それ…スタンガン？』
私と木村がみんなの元へ戻ると、男たちは完全に気絶していた。
寺坂が持っていたスタンガンは殺せんせーに試そうと思って買っておいたんだとか。
何やら臨時収入があったそうで…まぁシロとの取引の時のやつだろうな。
「いい武器です寺坂くん。ですがその2人の胸元を探ってみなさい。
膨らみから察するに、もっといい武器が手に入りますよ」
殺せんせーに言われるがまま2人は胸ポケットを探った。
中から出てきたのは…
『本物の銃…』
対先生用に作られたものではない。
実弾が入った、人を殺すことができる、もの…
「そして千葉くん、速水さん。
この銃は君たちが持ちなさい」
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作者名：Suu | 作成日時：2020年4月7日 1時
