＃95 ページ2
「いやぁ〜いよいよ夏休みって感じですねぇ」
袋の中で顔に太陽のマークを浮かべながら殺せんせーは言った。
……
「なにをお気楽な！！」
「1人だけ完全安全な形態でいるくせに！」
『いいよねせんせーはただ持ってもらってるだけだもんねぇ』
「渚！振り回して酔わせろ！」
みんなからの総攻撃からの、渚が言われた通りものすごいスピードで振り回した。
振り回していた手をカルマが止め、
「よーし寺坂、これねじ込むからパンツ下ろしてケツ開いて」
「死ぬわ！！」
ああいうこと言っちゃうからみんなから反感買うんだよ殺せんせー…
でも、今みんながずっと緊張状態だったのが、少し緩んだ気がする。
そういうところも考えてくれていたんだろうか、殺せんせーは…
「殺せんせー、なんでこれが夏休み…？」
渚が殺せんせーに聞いた。
確かに、この状況は明らかに夏休みではないよな。
「先生と生徒は馴れ合いではありません。
そして夏休みとは、先生の保護が届かないところで自律性を養う場でもあります。
普段の体育でやったことをしっかりやれば、そうそう恐れる敵はいない。
君たちはクリアできます。この、暗殺夏休みを…」
暗殺夏休み…か。
このせんせーは教師として優れすぎてるような気がしてきた。
烏間先生が動けなくなって、先頭に立ったのは寺坂。
壁伝いに進んで、寺坂が何かを見つけたのか急に立ち止まった。
『誰かいた？』
私がぼそっと聴くと「あぁ」と答えて、指差した方向には
堂々と窓にもたれかかっている身長の高い男がいた。
見てわかる…敵、だ。
そっと影に隠れて様子を見ていると、パリン、という音が響き渡った。
男が窓を割ったようだ…素手で。
『素手で窓ガラ割るって…』
どんな腕力だよって思ったその時
「つまらぬ」
男が1人で話し始めた。
「足音を聞く限り、強そうな者が1人もおらぬ」
バレてる…それに烏間先生がいることも、相手に知られている。
「どうやらスモッグのガスにやられたようだぬ。
半ば相討ちぬと言ったところかぬ。出てこいぬ」
出てこいと言われ、諦めて相手の前に出る。
それよりさっきから気になってたけど…
「『ぬ、多くない？おじさん』」
あやっぱり他のみんなもおんなじこと思ってた。
どんだけ「ぬ」つければ気が済むんだよってくらい語尾に「ぬ」がついてたから気になって…
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作者名：Suu | 作成日時：2020年4月7日 1時
