【不知火一樹】ふりむいて不知火part1【Starry☆Sky】 (ページ24)

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ストーリー 23 ○ ページ24

月子side

短い沈黙が流れた。
舞い落ちる雪を、私達は並んでぼんやり見つめる。

しんしんと降り積もる雪。
その音だけが響き渡り、辺りが静寂に包まれた。

颯斗「……雪は好きです」

真っ白な雪を見つめたまま、
ぼそっと颯斗君が呟いた。

颯斗「雪がすべてを覆い尽くす様子を見てるのも好きです。
それに……この世から音が消える」

月子「えっ……」

颯斗「無音の世界に、僕は不安を感じつつも
心のどこかで安心するんです……」

あ「……颯斗」

颯斗「音楽は好きなのに……
無音の世界も好きなのは少し矛盾していますね」

カーテンをぎゅっと握りしめる颯斗君。
その手が微かに震えていて、
目がそらせなくなった。

月子「きゃっ！」

あ「うわ！」

突然、爆発音が廊下の向こうに響き渡った。

颯斗「大丈夫でしたか、月子さん、A先輩？」

月子「うん……それより今の音って……」

颯斗「……疑問の余地もない。
今回の後始末は骨が折れそうです」

そう言って生徒会室の扉に目を向けると
廊下から騒がしい足音が近付いてきた。

颯斗「さて、そろそろ来ますね」

私達が頷き合うのと同時に、
勢い良く扉が開け放たれ＿＿