ストーリー 1 1年前春 ○ ページ2
月子side
この春、私はこの星月学園に入学した。
桜の花びらが舞う中
これから3年間通う学園内を
幼なじみの東月錫也と七海哉太と私の3人で探検していた。
見るものすべてに目を奪われ、
私はいつの間にか2人とはぐれてしまった。
月子「2人ともどこに行ったんだろ……。
もうすぐ入学式、始まっちゃうのに……」
ひとりぼっちになって、急に心細くなる。
さっきまでのわくわくした気持ちは、
どこかへ吹き飛んでいた。
月子「早く探さなくっちゃ」
慌てて校舎内を探しまわったけど、
2人を見つけるどころか、
自分が今どこにいるかさえ分からなくなってしまった。
完全に迷子だ……。
月子「どうしよう……」
ため息まじりに呟いたその時__
??「お前、新入生だろ?
……もしかして迷子にでもなったか?」
突然声をかけられた。
驚いて振り返ると、
上級生かな?見知らぬ人。
だけど……
屈託のないその笑顔に、私は懐かしさを覚えた。
私、この人とどこかで……。
月子「幼なじみとはぐれてしまって……」
??「探してるうちに迷子になったのか?」
月子「……はい」
??「安心しろ。
この学園は俺にとって庭も同然だ。
俺が案内してやるから、ついて来いよ」
その人は大股で豪快に歩き出す。
私は少し戸惑いを覚えたけど、
自然と彼の背中を追いかけていた。
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作者名:ちゃむPOP | 作成日時:2016年7月1日 17時