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本心(そらるside) ページ7
まふの家に着いた時まだ暗い空に雨が降っていた
ｶﾁｬｶﾁｬ…ｶﾞﾁｬｯ……ｯ
かじかむ手と焦る心のせいでなかなか鍵が開かない
「まふ…ｯ」
…ｶﾁｬﾘ
やっと鍵が開いた
ドアを開けて急いで中に入る
そこには
天使のような笑顔もちょこまか動く元気な姿も無い
ただただ苦痛に顔を歪ませて冷たいフローリングの上に転がってる
まふが、いた
「おい、おい……おいｯｯ！！」
がたがたとまふの体を揺する
" 痛いですよ､そらるさん " って言ってくれよ
" 僕を起こすときはもっと優しく起こしてくださいよ " っていつもみたいに言ってくれよ
「なんで倒れてんだよ！起きろよ！まふ！まふ！！」
気がつけば俺は泣いていた
泣きながら彼奴の体を揺すって手を握って
必死に彼奴の名前を呼んでいた
ﾋﾟｸｯ
手が、動いた、？
「まふ……！？」
「そらる…さ……？」
まふがうっすら目を開けて弱々しく手を握り返した
あぁ俺はずっとお前のこの声が聞きたくて―
「まふ…ｯ」
嗚咽混じりに名前を呼ぶ
すぐに助けてやれなくてごめん
痛みが分からなくてごめん、
ごめん、まふ
それでもお前は俺の
「大切なパートナーだから」
絶対大切にするって決めてる、から、
抱きついてきたまふに応えるようにその小さな背中をそっと抱き締めた
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作者名：時雨 | 作成日時：2016年6月22日 15時
