22.信長の祝言 ページ23
屋敷の中は大急ぎであった
本日は信長と濃姫の祝言を行う日であった
｢姉上、そなたは何か芸はできるのか？｣
｢一応一通りはできますが。｣
｢ほぉ、それはよいな。
ならば本日の祝言で姉上にはなにか芸をしてもらう。｣
｢えっ…。はぁ、御身の御心のままに。｣
今朝、上のようなやり取りをした
そのため絢音は衣装部屋にて着付け等をしている
｢ふむ、どのような芸をするかによって衣装が変わりますからね……。｣
彼女は能や舞、三味線や琴、茶の湯など多才であった
｢そうですね……これに致しましょう。｣
2人は盃を交わす
｢これにてお2人は夫婦となる！｣
｢宴だぁぁ！｣
祝言も無事にすすみ、これより宴が始まった
多くの種類の豪華な酒や料理が次々に運ばれてくる
女中達はせかせかと働いている
｢姉上！こちらへ来てくれ！｣
｢はい。｣
絢音は信長に呼ばれて上座に向かう
｢どう致しましたか。｣
｢姉様！お久しぶりね、お会いしたかったわ…！｣
｢姉上よ…。いつお濃を懐かせたのだ…。｣
信長は絢音の無自覚天然人たらしに半分呆れていた
｢そのようなことをした覚えはありません。
さて若君、どのような御用でしょうか？｣
｢今朝言った芸をここで披露して貰う。｣
『さぁ、皆の者！！
これより"姫夜叉"、球磨川絢音による芸を披露してもらう！！』
信長が声高々と宣言した
家臣達は雄叫びをあげ、広間は興奮の渦に飲み込まれている
｢はぁ、このようなことを…。
ではこれより支度をしてまいります。｣
絢音はすぐに広間を出て衣装部屋に向かった
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作者名：梓蝶 | 作成日時：2018年7月25日 19時
