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海の願い ページ7

you side




手のひらで遊々と泳いでいた煌めく青い魚は
ホムラさんが指を1回鳴らすとキラキラと消えた。






ホ「君は僕と出会った日、小さな魚を助けたんだ。その魚は僕の友達だった。呼吸の小さくなったその魚を見て…君はずっと泣いていた」


「…」


ホ「小さな魚1匹に…あんなにも綺麗な涙を流す人は…初めて見たんだ。その日から僕と君は仲良くなってね。気が付いたらもう大人になって…」


「…海の願いはたったひとつ」


ホ「えっ、!?」


「…いつまでも世界中の海が、輝いていますように」


ホ「…A、?」












そうだ、思い出した。



















「…海の話をたくさん聞いたのを思い出した、」


ホ「ほ、本当かい?」


「…」












ホムラ…













ホムラ、



















その時頭の中で交わらなかった何かが


















ハッキリと交わるのを感じた。



















「…ホムラ、!!!」


ホ「なっ…何?」


「あなたはホムラ、!!」


ホ「そ、そうだよ?」









目の前のホムラは驚いた様子だった。



















「思い出した…ホムラのこと、」


ホ「え、?」


「…海の祝福、海の願い。あなたが見せてくれる青い魚。…全部思い出した」


ホ「…」


「…ありがとう、ホムラ」


ホ「…」


「っ…、ほ、ホムラっ…!?」














ホムラは私を抱きしめた。

















ホ「…海の願いは、もう1つある」


「え?」


ホ「…君が、君を忘れない事だ」


「っ…」


ホ「君が君である限り…僕も、僕たちも…何も変わらない。君のそばにいるよ」


「…僕たち、?」


ホ「優秀なドクター、そしてうさぎのような君の相棒。その彼らも…僕と同じ気持ちだよ」


「…ドクターと相棒、?」


ホ「…このまま僕の事だけを思い出していればいいなんて考えてしまう僕は…本当に愚かだね」


「ホムラ、?」


ホ「でも僕はずるい事したくないんだ。早かれ遅かれ、彼らの事もきっと思い出す。そうしたらまた4人で楽しく過ごせるはずだから」


「うん…」


ホ「ボディガードだって言ってたけど…僕だって戦える。もう君が傷つくところは見たくないんだよ」


「…、」


ホ「君の事も…守らせてくれるかい?」


「え、?」


ホ「…黙って頷いて」


「…、」











私はホムラの言う通り、黙って頷いた。















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作者名:みなと | 作成日時:2024年2月20日 22時

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