私に起きたこと ページ13
you side
私は無事にみんなの事を思い出した。
「ねぇ、セイヤ」
セ「？」
「もし話せたらでいいんだけど…私ってどうして記憶がなくなったの、？」
セ「…」
「あ…ごめん、もし話せてたらでいいから…」
セ「…あんたは大丈夫なのか、聞いても」
「私が聞きたいの」
セイヤは少し気まずそうだった。
セ「あの日は俺とあんたで任務だった。街にワンダラーが現れた事で任務の目的が変わり、俺たちはワンダラー討伐に向かった。
そこにいたのはあんたの主治医、レイだ。偶然街に買い物に出ていた絵描き、ホムラも加わって俺たちは一体のワンダラーと戦うことになったんだが…」
「…」
セ「そのワンダラーは人間の姿に変わった。そしてそのワンダラーはあんたしか攻撃しなかったんだ。
そこらじゅうにいるワンダラーと違って、何段階も強さが倍だった。そして俺たちの目が逸れてる間に、あんたは捕まって…そのまま何かをされて、気を失った」
「何かをされた、？」
セ「俺たちは離れた場所で他のワンダラーと戦っていたから何が起きていたのかは分からない」
「…私の中にあるコア、」
セ「コア？」
「私の中にあるコアをよこせって、言ってた気がする」
セ「…コアを狙っているのか、あんた自身も狙ってるのか？」
「ううん、それは分からない。でも確かにコアの話はされた気がする」
私はその時の事を思い出した。
すると、
小刻みに私の手は震え出した。
その震えた手をセイヤが不意に包み込んだ。
セ「…この話はやめよう。あんたも一気にいろんな事を思い出して疲れるだろ。また退院した時にでも話はできる」
「ごめん、セイヤ。ありがとう」
セ「…レイたちには話しておいていいか？」
「うん、いいよ。私が話しても今みたいに震えてきちゃうかもしれないから…」
セ「分かった」
それから私とセイヤは
任務の話やこれからの事を話していた。
セ「そろそろ帰る。あまり無理はするなよ」
「うん、ありがとう」
セ「帰りにレイの所に寄ってみる」
「よろしくお願いします」
セイヤはそう言って病室を出て行った。
・
続く
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作者名：みなと | 作成日時：2024年2月20日 22時
