光の約束 ページ12
you side
セイヤさんは私を見つめて
少し考えている様子だった。
セ「俺たちの共通した記憶と言えば…Evolか」
「能力って事ですか、？」
セ「初めてあんたと会った時、俺の能力を見てあんたは感動してた」
「セイヤさんの能力を見て…？」
セイヤさんはそう言って手のひらを優しく握り
目を閉じている。
セ「…これだ」
セイヤさんがそう言うと
手を広げて見せた。
するとセイヤさんの手のひらから
光を纏った蝶々が現れた。
「き、綺麗…」
セ「これをあんたに見せたんだ。初めてあんたと会った場所は暗くて…ワンダラーが蔓延ってた場所だったのもあるが…あんたにとって初任務だったからな」
「…」
セ「何か…思い出したか？」
「…」
セイヤさんが見せたその光の蝶々は
私の手のひらに飛んできた。
「…」
セ「…」
私も蝶々に意識を集中させて目を閉じる。
目を閉じた脳裏に見えたのは
私とセイヤさんが2人でいる空間。
その空間で
セイヤさんは私に光る蝶々を見せてくれて
私は安心していた。
セ「あんたは1人じゃない。どんな事があっても…他のヤツらがなんて言っても、俺はあんたの味方でいる」
「…せ、セイヤ…」
目を開けると目の前で私を見つめるセイヤ。
…ホムラやレイの時と同じ感覚が体を走り抜けた。
セ「あ、あんた…まさか…」
「セイヤっ…、私っ…」
セ「…もう何も喋らなくていい、」
セイヤは泣いてる私を優しく抱きしめた。
「思い出したよっ…セイヤのことっ…」
セ「…ああ、」
「ごめんねっ…忘れちゃってっ…」
セ「…ああ、分かってる」
セイヤは私の背中を優しく一定のリズムで叩く。
懐かしいような、
安心するような…
やっと私はみんなを思い出した。
私を大切にしてくれて来たみんなを。
「セイヤ、…本当にありがとう」
セ「…俺は何もしてないだろ」
そして私はセイヤと思い出に浸っていた。
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作者名：みなと | 作成日時：2024年2月20日 22時
