ウサギさん ページ11
you side
ホムラが私に手渡してくれた一枚の紙。
その神にはホムラの連絡先が記されていた。
そしてレイからもらった氷のアザラシも、
手のひらで私を愛らしい顔で見つめている。
後は…セイヤさんを思い出すだけ。
セイヤさんと私に
何か同じ記憶があれば…
2人の時と同じように思い出せるかもしれない。
ーコンコン
「…はい、」
返事をすると開いたドア。
そこにいたのはセイヤさんだった。
セ「ドクターと絵描きを思い出したのか？」
「は、はい…」
セ「そうか、よかった」
「あの…セイヤさん」
セ「…？」
「…私は真空ハンターだったんですよね、？」
セ「…ああ。」
「セイヤさんも…真空ハンターだったんですよね？」
セ「ああ、そうだ」
「レイやホムラが教えてくれたんです。私とセイヤさんは同じ真空ハンター同士、パートナーだったって」
セ「そうだな、俺たちは同じ真空ハンターだった。そしてパートナーだった」
「…その、ごめんなさい」
セ「何であんたが謝るんだ」
「だ、だって…真空ハンターだった事すら忘れてるんですよ、！？」
セ「それがどうした」
「え＿」
セ「あんたはドクターたちの事、思い出したんだろ？だったら俺の事だってそのうち思い出すはずだ。真空ハンターとしての記憶もきっと思い出す。だからあんたが責任感じることはない」
「セイヤさん…」
セ「それに、今回あんたが記憶を失くしたのも、そのケガをしてるのも、真空ハンターとして任務を遂行していたからだ。あんたはなるべくして真空ハンターになった人間だと思ってる」
「…」
セイヤさんからの言葉は
本当にまっすぐなものだった。
記憶を失っている私に
セイヤさんは表情ひとつ変えずに話してくれた。
セ「本音を言っていいなら、」
「…？」
セ「…あんたとまた一緒に任務へ出たい」
「…、」
セ「あんたがいないのはつまらない」
「…セイヤさん、」
セ「？」
「私の能力についてレイから聞きました。その能力を知らず知らずのうちに使っていたみたいで…そのおかげで2人の事を思い出したんです。何か…私とセイヤさんに共通するものはありませんか、？」
セ「共通するもの、？」
…早くセイヤさんを思い出したい。
私はまっすぐセイヤさんを見つめた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みなと | 作成日時：2024年2月20日 22時
