つよいひととこわいひと (ページ42)

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だから馬鹿とガキは嫌いページ42

いつも通りの放課後。
部活に入っていない私は学校の外でダンスを習っていた。

小さいときは本を読むのが好きであまり体を動かしていなかった。
そのせいか、走るのが早くなかったり筋力が未熟で鉄棒などができなかったり。
それを見越した私の両親は、私にダンスを習わせた。

口数もそんなに多くなかった私は、自己を表現するのが苦手で友達も
ほとんどいなかった。

でもダンスを習い始めてから同じレッスンに通う子と話したり先生とも
コミュニケーションを取ったりして社交的になっていった。

そんなダンスも今年で9年目。来年になったら10年目になるのか、と
どうでもいいことを考えながらスタジオまで歩く。

小学校から今の中学２年まで、友達は本当に数えられる程度しかいなかった。
その友達も一緒にレッスンに通っている子だし学校でずっとダンスについて
話すわけでもない。

交友関係は浅く狭く、それが今の私。望んでそうなったわけじゃないし
なぜこんな状態なんだろうと少しだけ悩むこともある。

まあ理由は分かってるけど。

同級生と共通の話題がない、それだけだ。
アイドルが好きなわけでもなければ好きなアニメもない。
スマホは持っているけど遊ぶようなアプリなどはほとんど入れてないし
動画も大して見ない。海獣とか魚を捌く動画とかは見るか。

人にもよるけどまだ勉強を気にしなくてよかった幼児期。
運動能力で劣っていた私は少しでもいいから他の人より優れていたかった。

知識だったり知恵だったり興味を持ったものは片っ端から調べて、
それが今に活きて勉強することを億劫に思わなくなった。

おかげでテストは毎回高得点だし、ひいきがすごいと言われている先生にも
好印象をあたえられている。

そんな感じの悪いこともなければ特段良いこともない毎日。
成績がいいのも自分にとっては当たり前でいちいち喜ぶようなことでもない。

平凡という言葉は私の為だけに存在しているのではと、錯覚してしまうような日々。

でも小説や現実でも大概はそう。
平凡な日々が終わるのは大半が悲劇のせい。

もしそれを自覚して過ごしていれば、もう少しマシな結果になっていたかもしれない。

……いや、そんなこと人間には、ましてや平和ボケしてる子どもにはできる
わけがない。