2 ページ5
ようやく気持ちが落ち着いてきて脳も冷静な考えを取り戻した。
まさかこの歳になってからこんなアグレッシブなことするとは思ってなかった、まだ
若い方だけど。
「…お風呂入ろ」
かなり汗もかいたので早く洗い流したい。終わったら所長も言ってたとおり早めに休もう。
翌日の夕方、また例の化け物達が現れたとの情報が入った。
今度こそ奴らを倒すチャンス、そう思っていたのに
「どういうことですか!? 何故私ではなく戦闘班に向かわせるのですか!」
「君がアイツらを倒したいという気持ちも分かる、それは我々も同じだ
だが敵は人智を超えた異形の生物2体、数の利を取ることも重要だとは思わないか?」
私は司令部の長官に問い詰めた。
どうやら上層部は私ではなく別の人間にD3ドライバーを持たせ、重装備の
戦闘員十数人の戦闘班を現場に投げ込むらしい。
つまり私に留守番をしてろと…?ふざけるな
「今度こそは必ず奴らを倒します!ですので私に出動命令を…!」
「しかし君は一度負けている、いい加減認めたまえ」
それでも、と言いかけてあることを思い付いた。
「なら、私にD4ドライバーを使わせてください」
D3より強力なD4なら、私一人でも
「…駄目だ、承認できない 君ももし何かあったときの為にいつでも…」
少し迷うところではあったが、それでも彼女を向かわせるという選択は取らなかった。
彼女は強い。だがそれ故にプライドも高い。この状態では敵と対峙したときに
冷静さを保てないだろう。
そう思い、私は考えるために俯いていた顔を上げ言葉を発した。だがその言葉は途中で途切れてしまった。なぜか、それは彼女の顔を見たからだ。
彼女は、空木奏明は笑っていた。
正確には笑みを浮かべた、だが。しかし笑顔と形容するには禍々しすぎた。
口角は上がっているものの目が笑っていない。ただ笑っていないだけではなく、
まるで人間を人間として見ていないような、そんな目だった。
間違いなく彼女は怒りに溢れている。もしこのまま拒否を続けたら…
実際には起こらないと分かっていても、背中に冷や汗が伝うほど恐ろしい。
「…分かった 出動を認めよう」
「! 本当ですか!」
先ほどの怒りはどこへやら、承認した途端彼女が纏っていた殺気が嘘のように消えた。
1人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廣岡唯 - ワァオ (4月22日 10時) (レス) @page12 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
次亜塩素(プロフ) - わぁ (2020年12月14日 16時) (レス) id: c196843a04 (このIDを非表示/違反報告)
すいみん不足(プロフ) - わぁ (2020年12月14日 15時) (レス) id: bcd5c44fa2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:次亜塩素 x他1人 | 作成日時:2020年12月5日 1時