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五話 ページ6
「…なるほど、！」
「そーそー、いいよ、」
天月くんの指導を受け、なんとか魔法ができるようになった。
とはいえ、全然ショボイけど。
じゃ、坂田に教えてくるね、と向こうに行ってしまった天月くんを見送りながら、視界の端に捉えた志麻さんへ目を移す。
「…ふぅ、」
やはり年上だからなのだろう。
すぐに魔法ができ、どんどんそれを進化させ、自分のものにしようとしている。
だがどれだけ魔法が上手くても無反応。喜びもしない。…むしろ、思い詰めた表情をする。
いつもそんな感じで、僕達が騒いでいても無視。授業中に発言するのも、先生に当てられた時だけだ。
「…あ、でも…、」
確か、金髪の先輩と話していたのは見たことある…と、記憶をたぐりよせる。
そのときはいくらかは、表情が和らいでいた気がした。
…僕達と仲良くなれないのは、やはり、年の差のせいなのだろうか。
「はい、！今日はここまで〜！復習を忘れずに！」
「「はーい！」」
考えごとをしていたら、いつの間にかチャイムが鳴っていたようだ。
先生の言葉に急いで返事をし、出ていく先生を見送る。
次はなんの授業だったかな、と黒板を見れば理科、と書いてある。
スゥ…と顔が青ざめる。
「…僕、理科嫌い。…教科もそうだけど…、」
「…うん、わかるわ、…先生、めっちゃ怖いもんな…」
さかたんと肩をポン、と叩きあい、慰めあって席に座る。
あほらしい、と呆れてる天月くんにはあとでさっき練習したばかりの魔法をかけようと思う。うん、そうしよう。
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作者名：桜餅@そらなー | 作成日時：2019年5月14日 18時
