【そらる】推しとの扱いの差が酷すぎる件について。【歌い手】

9話 ページ10

「そらるさーん！」

「…なぁに、あと、そこコードたくさんあるから気をつけ」

「いだっ…」

そらるさんの注意を聞かずにかけよったら見事に痩けた。

「…大丈夫、？ほら、」

そらるさんが手を差し出す。
…え、イケメン…王子様じゃん…。
赤くなってるだろう、顔を持っていた紙で隠しながらそらるさんの手をとり立ち上がった。

「…で、どうしたの、？何かあった、？」

「あ、そう、…見てみて、これ！」

手に持ってたチラシを見せる。
そこには大きな花火が描かれて、食べ物や射的、ヨーヨーすくいなどの文字がずらりと並んでいる。
そう、夏祭りのチラシだ。

「…へぇ、行きたいの？」

「うん、！どう、？」

「いいよ、それ、今日だよね、？」

「うん、今日！あとね、浴衣来ていきたい！」

「わかった、浴衣…かぁ、」

私の頭を撫でたあと、浴衣あったかな…と立ち上がるそらるさん。
私もそのあとを追おうと歩き出す。

…私はどうやら鶏の頭らしい。
すぐにコードに足がひっかかり痩けそうになる。

「…っ…ほんと、危なっかしいんだから…」

気づいたらそらるさんの腕の中にいた。
どうやら振り替えって助けてくれたらしい。

「えへ…ごめん、」

「もう…気をつけてよ？」

「はーい、」

今度は慎重にコードを避けながら、そらるさんの後を追った。

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