【そらる】推しとの扱いの差が酷すぎる件について。【歌い手】

16話 ページ17

「いつでも頼ってね！！」

「バイバーイ！」

「うん、またね、ありがとう、」

手を振って二人を見送る。
ドアが閉まった瞬間に、そらるさんに抱き締められた。

「…そらるさん、？」

「んー…、これから作業だから、Aチャージ中。」

私の肩に顔を埋めているので表情は見えないけれど、声はやっぱり少し元気がない。

しばらく考えて、そらるさんの頭に手を置く。

「じゃ、そらるさんが作業頑張れるように、Aちゃんパワー送るね！」

「Aちゃんパワーって…、ふふ、ありがと、」

そらるさんが顔をあげて微笑む。
私が真っ赤になってる間にいつの間にか寝室につれてこられて寝かされる。

「はい、そらるさんは作業があるから寝ててねー、」

「えー…」

「えー、じゃないの。だーめ、寝てて。」

布団をかけられるが、私がやだやだと抵抗すると布団をバサッ、と剥がされた。

「…眠くないってこと、？それなら…」

「あー！わかりました！寝ます！今すぐ寝ます！」

身の危険を感じ、すぐさま布団を被る。
抗議の声をそらるさんがあげるが、おとなしく布団に潜った私を見ると、頭を撫でておやすみ、と言う。

「…おやすみ、」

もう一度、頭を撫でられ、瞼にキスを落とされる。
何かの魔法だろうか。

眠気が私を襲い、瞼が重くなる。

最後にそらるさんの微笑んだ顔を見て、意識を手放した。

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