【そらる】推しとの扱いの差が酷すぎる件について。【歌い手】

13話 ページ14

「そ、らるさっ…」

全身の力が抜け、壁に寄りかかったまま座り込む。

「俺の彼女に何してんだよ、…さっさと引け、」

「はぁ、？俺はただー、ここらへん物騒だよー、ってこと教えてあげたのに抵抗するから…、お仕置きしてただけだよ、？」

意味がわからない。気持ち悪い。
それはそらるさんも一緒みたいで、顔をしかめる。

「…そんなのはどうでもいい、引け！」

「ﾁｯ…うっせぇなぁ…、」

頭にきたのか、一人がそらるさんに殴りかかる。
だが、それをそらるさんは見事に回し蹴りで一発K.O.
もう一人は怯えたのか、倒れた男を担いで逃げていった。

「…A、怖かったね。もう、俺がいるから。…だ、いじょうぶじゃないよな、…とりあえず、これ、着てて、」

そういって、私にそらるさんが来ていた上着を羽織らせる。
そして、荷物を持つと私を姫抱きして大切そうにぎゅ、と引き寄せられた。

「…ごめんね、」

「な、なんで、そらるさんが謝るの…？わ、私が勝手に出掛けたのに、」

「ううん、…俺が、追いかければよかったんだよ、ごめん、…もう、もう、大丈夫だから、」

私を姫抱きしたまま、路地裏の近道を使って人目につかないように帰る。
その間、ずっとそらるさんはごめん、と溢していた。

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