歌い手そらるはシスコンでした。【歌い手】

番外編7 ページ39

「まふまふはさ、…音楽に真剣で、本当に人の話を聞かないほどまっすぐで情熱を注いでる。…簡単にできることじゃないと思うからすごいよ、」

「そ、そらるさ」

「優しいし、気配りできるし、そりゃ、たまに病んだりめんどくさくてメンヘラなとこもあるけど、とってもいいやつだよ、」

「…はい…」

「お前が思ってるよりお前のいいとこはたくさんある。だから、駄目とか言うなよ、俺はお前が相棒でよかったって心から思ってるんだからさ、なんも気に病むことないよ、」

ポンポンとまふ兄の頭を撫でて、新曲の話し合い進めるぞ、とお茶を一口すすったお兄ちゃん。

「…あの、そらるさん、」

「何、お礼なら別にいいよ、いつものことだし、」

「…いや、僕の病んでた原因それじゃないんで、てかそんなこと生まれる前から知っています、」

私はコントローラーを落とし、お兄ちゃんは固まった。

そして数秒後。
お兄ちゃんはまふ兄の足を軽く蹴り、それにまふ兄は足を抱えてうずくまった。

「…まふまふ、お前なぁ…？そこは嘘でもありがとうございます、なんて言うとこだろ？あぁ？雰囲気壊してくるバカがいるか？？」

「あああああぁ！ごめんなさい！！」

…ArRは感動物語より、芸人の道を進んだ方がいいのでは。
そう思った今日の午後。

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