歌い手そらるはシスコンでした。【歌い手】

番外編6 ページ38

A side

「…うううううぅ…」

唸っているまふ兄。
困り顔のお兄ちゃん。
その様子を見ながらゲームをしている私。

二人はどうやら新曲の打ち合わせらしいが、進んでいる気配がない。

「なんだよ、、また、病んでるの、？」

「はぁあああ！？いつも僕が病んでるみたいな言い方じゃないですか！」

「え、違うの？夜中に「やだ、やだ、置いてかないで！！ねぇ、そらるさん！！やだよ、」って毎日電話かけてくるまふまふくんはだぁれ？？？」

「ｽﾐﾏｾﾝﾃﾞｼﾀ…」

…どこかの夫婦漫才ですかね、奥様。

まふ兄が持っていた歌詞の案が書かれた紙を投げ捨て(あとでちゃんと掃除した)、机をバンバン叩く。

「ううぅ…、リア充めぇええ…、僕達非リア同盟という仲でh」

「…俺、入ってないけど？それ、坂田だろ、」

「うぐっ…、いや、確かに、そうですけど！！今、そらるさん、相当さかたんに失礼なこと言いましたよ…？」

「お前の方が失礼だからな、」

「ｻｰｾﾝ」

まだまだ、漫才を繰り広げるお二人さん。
そして、まふ兄が一枚の歌詞が書かれた紙を手に取る。

チラッ、と見えた歌詞は失恋曲でどうしても届かない思いを綴った悲しい歌詞だった。

「…はぁ…、僕ってやっぱ駄目なのかなぁ…、」

「…何、病み気？」

「失礼な！！人が真面目に…！！」

「…知ってるよ、お前がいつも真剣なこと、頑張ってること、」

やっぱり夫婦漫才ですね、奥様。

お兄ちゃんはまふ兄の頭に手を置いて、微笑んだ。

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