episode3 初めてのお料理 ページ4
ともえ「Aお嬢様、今日はとてもご機嫌ですね。」
部屋で時計を見ながら楽しそうにしている少女に年配の女性が話しかける。
『うん!きょうはパパがおひるにはかえってくるって!』
ともえ「そうでしたね。悟坊っちゃまは会議だけと仰っていましたね。」
『うん!パパずっとよるしかいなかったからうれしい!!』
ともえ「じゃあ今日のお昼ご飯はともえが腕によりをかけて作らせてもらいますね。」
『…………』
何か考えている少女は、少ししてともえという年配の女性の服を引っ張る。
『Aもパパのごはんおてつだいしていい?』
ともえ「まぁまぁ!お嬢様がお手伝いしてくれたらきっと悟坊っちゃまも喜びますよ。」
『ほんと!?』
ともえ「ええ。悟坊っちゃまのためにも頑張って作りましょうね。」
『うん!がんばる!』
そしてともえに用意してもらった、可愛らしいフリフリの付いたエプロンをつけて嬉しそうに鏡の前でクルクル回るAを、ともえはとても優しい表情で見つめていた。
ともえ「なににしましょうかねぇ?」
『パパはなにがすき?』
ともえ「そうですねぇ。何でも食べてくださる方でしたからねぇ。甘い物は特別お好きでしたけど。」
『あまいもの……。』
ともえ「あっそういえば、坊っちゃまが小さい頃に私がオムライスを作ったのですが、とても喜んでくださったことがありますね。」
『オムライス!!!Aもだいすき!!!パパが作ってくれたの!!うさぎさんかいてあったんだよ!!!』
ともえ「フフっそれはよかったですね。では今日はオムライスにしましょうか。」
『うん!!!!』
ともえ「お嬢様もう少しです!」
『……っできた!!』
少女は持っていたケチャップを置き、オムライスを見つめる。
そこには「パパ」と書いてあり、その字を大きなハートが囲んでいる。
ともえ「とても上手に出来ましたね!」
『変じゃない……?』
ともえ「とってもお上手ですよ。」
『ともえ、じ、おしえてくれてありがとう!』
そう言い嬉しそうに笑うAの顔に付いたケチャップを優しく拭くともえ。
ガチャッ
『あっパパだ!!!!』
そう言い、乗っていた台から飛び降り玄関へ走っていくA。
そこには長身白髪で顔の整った五条悟がアイマスクをはずし、サングラスにつけかえていた。
『パパ!おかえりなさい!!』
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作者名:せな | 作成日時:2023年9月30日 15時