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episode2 ページ3

五条side



ごめんなさいと泣きながら謝るA。


五条「大丈夫だって前にも言ったでしょ。Aのこの呪力は悪いものじゃない。それに僕は染まらないから大丈夫だよ。」


Aの呪力は他の人とは違い、夜の闇の色をしている。それはAの術式に関係するんだけど、この呪力に触れたものは人も物も全て、闇色に染る。彼女自身さえ。
だけど僕は無下限術式があるから染まらない。


『パパのおへやもまっくらにしちゃってっ……』


五条「ククっそうだね。真っ暗になっちゃったね。でも大丈夫。Aが呪力しまえたら色も元に戻るよ。」


『……っっでもずっとおさえようとしてるのにっ……できなくてっ』


ずっと泣いているAを抱きしめる。





五条「大丈夫。僕と一緒ならできるでしょ。僕の呪力を流すからその流れに集中して。」

Aの手を取り、呪力を流していく。


五条「僕の呪力感じる?」


『うん、きらきらのあおいろ。』


Aは人の呪力も色で感じるみたいだ。
初めて言われた時は不思議だったな。
呪力なんて負の感情から作られるものだ。
それがきらきらの青色ね。


五条「じゃあ僕が流した呪力の流れと同じようにAの呪力も流して元に戻そう。」


僕の持つAの手が震えている。


五条「大丈夫。僕がついてるよ。」



そう言うと僕の方を見て、震えながらも力強く頷くA。



可愛いなぁと思う。


硝子達にはああ言ったが、
Aと出会ってまだ少しだが、生徒達よりも何か特別な情を感じている自分がいる。


手放したくないと思う程に。


それは出会った時からそうだったのかもしれない。



だから娘にしたのかもな。







Aの呪力が徐々にAへ戻っていき、部屋の色が見えてくる。

そして最後にはAの天使のように可愛らしい顔も見えてくる。




五条「上手に出来たね。いい子。あ〜あ〜、涙と鼻水でAの可愛い顔が台無しだよ。」


そう言い、Aの顔を優しく拭く。

『っパパっごめんなさい……』



五条「まだ呪力の練習し始めたばかりなんだから仕方ないよ。だからAは謝らなくていいの!それにちゃんと初めて会った時より抑えれてたよ。えらいえらい!」



五条「絶対抑えれるようになるから。大丈夫だよ。」



そっとAを抱きしめると僕の服を掴み、また泣きだすA。



これまで辛い思いをしたこの子を絶対守ってあげたいと思う。

僕らしくない。

けど新たな自身も悪くないなと思う。

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作者名:せな | 作成日時:2023年9月30日 15時

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