不良=恐怖とは限らない。【男主】

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『…………寝すぎた。』



気づけば下校時間だった。
下を覗けば下校する人、部活に行く人が外を歩いていた。


ﾌﾞｰﾌﾞｰ…


『コッチからって事は。仕事か。……もしもし。』

【仕事だ。】

『今日は何？』

【この前の件の取引だ。】

『……あー、了解。場所は？』

【詳しい事はメールで送る。】

『了解〜。』


本当人使いが荒いんだよなぁ、ジンって。
さて、仕事だから早く帰らねｪとな。

屋上から出て、階段を降りる。
何も荷物持ってきてないから教室に寄らずにそのまま昇降口へ。



✱✱✱



制服からラフな格好に着替え、フードを目深に被った。
"モヒート"でいる時は大体フードがある服を好んで着る。
顔も良く見られないし、自分も少し自分の空間にいられるようで落ち着く。


『…メールからは此処らだと言ってたな。』

「あれ？バイクのお兄さんだ！」

『……何故、俺だと分かる。フードを被ってるだろ。』

「肯定してるって事はバイクのお兄さんだね。」

『うぐっ』


地雷を踏んでしまったか。
確かコイツは…強盗犯を追い掛けてた餓鬼だったな。

餓鬼の癖に犯人追って捕まえるなんざ、本当に小1か?


「お兄さんは何か用事でもあるの？」

『まあな。…お前には関係ねｪ事は確かだな。』

「へー、そうなんだ〜。」


頼むから着いていきたいなんて顔すんな。


『じゃあ、もう日も暮れる餓鬼はさっさと帰れ。』

「ちぇー、分かった。」


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