不良=恐怖とは限らない。【男主】

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『………組織にいるノックを洗い出す？』

「嗚呼。ボスからの命令だ。』


夏期休暇も入り、組織に入り浸っていた。
ボスからノックの排除が命じられたらしい。


「キュラソーが警察庁に侵入し、データを盗み出す。モヒート、お前はキュラソーの足になれ。」

『…良いけど。俺、バイクしか運転出来ねｪぞ。』

「構わねぇ。決行は明日だ。」


✱✱✱


『じゃあ、入り口付近で待ってる。』

「分かった。」


職員に扮したキュラソーが警備員の隙を見て侵入した。
俺は直ぐに行けるようにエンジンを掛けて待機。

すぐ後に赤いマスタングが停まった。
チラッと見えたが、見覚えのある顔が見えた。

数分して窓ガラスが割れる音が聞こえ、すぐ様警察庁の前に向かった。

後ろに跨ったキュラソーは変装のためのウィッグと少し暗くて分かりづらかったが片方のカラコンが取れていた。


『ッしっかり掴まっとけ!!!』


排気音を鳴らし、道路交通法なんて完全フル無視。
信号無視するし、高速道路にもスピード落とさず入った。

後ろから白のRX-7と先ほど見た赤いマスタングが追いかけているのが見えた。


『ﾁｯ…しぶとい奴だな。』


俺はスピードをどんどん上げ、先行車を次々と抜かす。
車の前をギリギリを走る。突然のバイク侵入に車はコントロールが効かずにガードレールにぶつかり、炎上した。

運転手や同乗者は直ぐに抜け出して無事である事をミラー越しで確認。

そのまま、スピードを出し続ける。
相変わらず、2台は追いかけ続けてくる。


✱


『…ﾁｯ。』


前を見れば渋滞の列があった。
これでは、前に進めずに捕まる可能性が高い。


『逆走するぞ。』

「OK。」


キュラソーが頷いたのを確認してバイクを方向転換して逆走を始めた。
クラクションを鳴らされながらも対向車を華麗に避ける。
途中、白のRX-7とすれ違った。


『そういや、ノックが誰か送ったのか？』

「ええ。さっき送ったわ。」

『何人いた。』

「5、6人程度ね。」

『……結構いるんだな。制裁が大変そうだ、』


暫く走り続ければ、目の前に赤いマスタングが道路を塞ぐように停まっていた。
目を凝らせば、見覚えのある奴がライフルを構えていた。


『……ライか。』

「轢き殺してやるんだ。奴もノックよ。」


俺はスピードをどんどん上げ、赤井に向かって突進するようにバイクを走らせた。
そして…


ﾊﾟｧﾝｯ


一発の銃声が響いた。


-22-へ続く

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