不良=恐怖とは限らない。【男主】

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『体育祭行ってといいと言ったが…あのガキが来てるとなると俄然やる気失くすワ。』


今は借りもの競争の前の種目が行われている。次の種目の出場者は集合の為入場門前にいる。
借りもののお題は生徒や教師に一つずつお題を書いてもらってくじ引きされたものとなった為ランダムお題である。


『メンドイお題にならなきゃいいが…。』


こういう事言うのはフラグを自ら立てているのではないか…？


✱✱✱



ﾊﾟｧﾝ!

借りもの競争が始まった。
この競技を初めて行うだけあって少し狼狽える事があったが時間が多少押しただけで済んだ。

見た感じ、お題は教科担当の教師だったり、うちわ持った人だったり、赤いものだったり本当に様々だった。

因みに、俺のテーマは【茶髪の人】。
まさかのお題が人間で戸惑った。
俺の知り合いに茶髪の人なんていたか？？


『……仕方ねｪ。勝つ為だ。』


俺はある場所へ歩いた。
京極が誘ったという3人のもとへ。
確か京極のヨメが茶髪だった。


『なｧ。ちょっと来てくれねｪか。』

「へっ？私…!?」


俺はお題の紙を3人に見せると納得してくれた。


「でも、今私サンダルで早く走れない…。」

『……あー…ちょっと我慢してくれねｪか？』

「え？我慢って…て、きゃあ…！」


京極のヨメを横抱き…もとい姫抱きをした。
急に体制が崩れた為俺の首に腕を回す京極のヨメ。
その一部始終を見ていた周囲の女が奇声(黄色い声)をあげた。

一人の体重を持っているのにも関わらず走るスピードが変わらないのは普段こっそり鍛えているAの賜物である。


「一着はなんと学校一の不良の五十嵐くん!!!」

『ウゼｪ…。』


体を動かす事は好きだが、こうやって注目を浴びるのは一番嫌いだ。
組織にいる為か光を浴びるのは避けがちだ。


「あ、あの…」

『すまねｪ。注目されて嫌だったろ。ダンナいるしな。』

「えっ!!?ダンナって……？」

『違ｪのか？』

「違くはないですけど……。」


と、最後声が段々と小さくなり顔を紅潮させ俯いた京極のヨメだった。


因みに、京極には謝っといた。


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