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(このまま足が痛いままで歩き回るんは良ぉないし……どっか座れる所、行こかな)
俺はそう思い、痛む足を引き摺りながら、 人気の少ない所へ移動する
ほぼ誰もいないに等しいと言える本堂の方へ続く石段に、ゆっくりと腰掛けた
状況的に、本殿付近には提灯も少なく、一人になるには丁度良かった
俺は既にぼろぼろになっている下駄を脱いで、裸足になる
浴衣の裾をべらりと捲ってみると、 じんじんと痛む足からは血が出ていた
多分、さっき転けた時に擦りむいたんだと思う
玄樹が貸してくれた浴衣の膝辺りは、ついた砂のせいで 白くなっていて、少しばかり血の赤もついていた
怪我をしている膝、赤くなっている足の指、汚れてしまった浴衣、千切れてしまった下駄の鼻緒
カッコ悪すぎるし、情けない
ふいに、遠くの方で、花火の音や人々の歓声が聞こえる
俺は、傷ついた足を投げ出し、花火の爆発音に掻き消されるぐらいの小さな声で呟く
「あーあ、俺、あほやなぁ」
大きな溜息と共に、自然と視界が涙で滲む
俺は阿呆だ、どーしよーもない阿呆になってしまった
めったに着ない浴衣を着て、慣れない下駄なんか履いて
全部、他の誰の為にでもなく、紫耀の為だけにやって
紫耀に見てもらいたくて、紫耀の目を引きたくて
一言だけでも、言葉が欲しくて
無駄に、ドキドキして、浮かれちゃって
(ほんま、あほくさ)
そんな期待、したって、無駄なのに
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あい(プロフ) - こんばんは！このお話とても短かめなのですが、とっってもきゅんきゅんして本当に大好きなお話で、サイドストーリー嬉しすぎます！これからも、更新楽しみにしてます！ (2021年7月9日 23時) (
レス) id: 74fb46b4d8 (このIDを非表示/違反報告)
ともりんこ(プロフ) - 紫耀くんサイドのストーリー、ぜひ読みたいです。 (2021年7月8日 18時) (レス) id: 96e5067ff6 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - Mr.Whiteさん ふわふわした両片思いの2人がすてきです。紫耀くんサイドの続き、ぜひ読みたいです！ (2021年7月8日 6時) (レス) id: 11015432dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mr.White | 作成日時：2020年12月3日 23時
