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「だからここは過去完了になるの。」
「なるほど」
放課後、部活前のほんの数分の間に今日の範囲を永瀬くんと復習する。
「あれ？白河先生...と、永瀬？」
通りかかったサッカー部の顧問の先生が不思議そうに私達を見る。
「なんだ？あの優秀な永瀬が補習か？」
「あ、いえ。ちょっと復習を...」
「部活には間に合う様に行くんで」
これ以上頭良くなってどうすんだ？と呟きながら去る先生の背中を見ながら疑問に思ったことを彼に投げかけてみる。
「永瀬くん復習なんて必要ないのにね」
「え？」
「だってさっき先生も言ってたけど頭いいし
.....まあ、でも学習意欲があるのは凄く良い事だと思う」
言った後に教師の私が言うのもおかしいかと思い言い直した。
「先生の授業は分かりやすいです、めっちゃ」
でも...と言いかけた永瀬くんの次の言葉を待つ。
「でも、他の奴らに邪魔されたくない」
「え？」
「折角、分かりやすい授業してくれてんのに...集中出来ひんから。
だから、個別で聴きたいなって、思って」
真っ直ぐな目でそう言ってくれる彼の夕焼けを映した瞳があまりにも綺麗で思わず返す言葉を失う。
「迷惑...ですか？」
なかなか言葉が返って来ない不安からか彼の真っ直ぐな瞳が泳ぐ。
「い、いや！全然！むしろ凄く嬉しい。
ちゃんと私の授業聴いてくれてるんだね」
そう言って彼の真っ直ぐな思いに応えるように、私も彼の目を見つめ返す。
「あ、いや、まあ...はい」
バッと目を逸らして頭をかく。
なんだか彼は忙しい人だ。
「あ、もうこんな時間だ！部活始まっちゃうんじゃない？」
「ほんまや。俺、行きますね。今日はありがとうございました」
「いえいえ、またいつでも聴きに来て」
そう言って手を振るとにこりと笑って走って行った。
彼がモテる理由が今日で分かった気がする。
私も同世代だったら好きになってるのかな...なんて教室の窓から見えるグラウンドに視線を落とした。
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西瓜(プロフ) - こもねさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉、感謝します。頂いたお言葉を励みに両作品とも更新頑張って行きますのでよろしくお願い致します。 (2018年5月17日 3時) (
レス) id: 66c14fc432 (このIDを非表示/違反報告)
こもね(プロフ) - はじめまして。西瓜さんの細かく的確な描写が大好きでいつも楽しみにしています。狂想共に更新頑張ってください！＾＾ (2018年5月16日 18時) (レス) id: b89f9c806b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西瓜 | 作成日時：2018年4月20日 21時
