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その日からごく自然と、自分でも気付かないうちに彼女を目で追うようになっていて。
2.3年生の選択英語科目を担当している事
非常勤講師で木曜と金曜日しかいない事
講師になって1年目でこの学校で初めて授業を受け持つ事
授業がある日は朝練の生徒より早く出勤している事
笑顔が柔らかくかわいい事
すれ違うと彼女に似合った優しい香りがする事
彼女の周りにはいつも人が集まっている事...
日に日に彼女について分かっていく事が増えると共に自分の気持ちにも気付き始めて。
最初はそんなはずないと思っていた。
割とモテるタイプだと自負していた俺がまさかあのひと時でいとも簡単に恋に落ちるだなんて思ってもいなかった。
でも気付き始めたら止まる事を知らないのがこの気持ちの長所であり短所であって。
「おはよう」
彼女が他の生徒に向けるその笑顔をいつしか俺だけに見せて欲しいなんて思うようになってしまった。
彼女の事を視姦する奴らを殴ってやりたいなんて思うことは数え切れずあった。
彼女が俺だけのものになればいいのになんてあり得ない事を願うようになって自分が嫌になる時だって。
それでもまた彼女に惹かれる俺はまるで底なし沼に自分から飛び込んでいくような憐れなものだ。
「では授業始めますね」
でももうその沼からも出なければならない時が来た。今まで出る術もなく苦しい筈なのに何故か居心地が良くて出来ればずっと留まっていたかった場所もあの男によっていとも簡単に追い出されるのだ。
今日で最後にしよう。
今日の放課後いつもの教室で彼女との最後の時間を過ごしてもう綺麗さっぱり忘れるんだ。
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西瓜(プロフ) - こもねさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉、感謝します。頂いたお言葉を励みに両作品とも更新頑張って行きますのでよろしくお願い致します。 (2018年5月17日 3時) (
レス) id: 66c14fc432 (このIDを非表示/違反報告)
こもね(プロフ) - はじめまして。西瓜さんの細かく的確な描写が大好きでいつも楽しみにしています。狂想共に更新頑張ってください！＾＾ (2018年5月16日 18時) (レス) id: b89f9c806b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西瓜 | 作成日時：2018年4月20日 21時
