27. s ページ27
Sho
嫁を病院まで迎えに行った帰りに彼女を見かけた。
あれはきっとAだったに違いない。
走り去るその後ろ姿に見覚えがあって、運転中だと言うのに咄嗟に反応してしまった。
「...っ」
「紫耀？」
信号待ちをしていた男が彼女の後を追う。
誰だよそいつ。
何で君は逃げるように走っている？2人に何があった？なんでその男は君を追いかける？
分かってる。俺がそんな事聞ける立場じゃないって事。
でも醜い感情がドロドロと湧き上がって来る。
隣に居る嫁なんて気にならないくらい苛立ちが増す。
「どうかした？」
「...なんでもない」
俺は最低だ。
分かってる、そんな事。君との関係を始めた時からそんな事分かりきっている。
「安全運転でお願いね」
「うん」
「もう私1人の体じゃないんだから」
それも分かってる。もう俺を責めないで欲しい。全部悪いのは俺だって自覚はある。
なのに気持ちが止められなくて。
Aと再会したあの日から俺は君に惹かれていたのかもしれない。
でも直ぐに俺たちは引き離されて。
もう終わったと思った。
家族が出来て、君への気持ちだってすっかり忘れていたつもりだったのに。
心の奥にしまっていただけで。懐かしい君の笑顔、柔らかい雰囲気、変わらない声色、それを感じただけでいとも簡単に溢れ出てきてしまう。
「2番目でもいい」
そんな君の言葉に甘えた。
だから君と逢瀬を重ねている間は優しく接するのが俺の中でのルールだ。
君に離れられるのが怖いから。
だから今だって君に[会いたい]なんて身勝手なメッセージを送る。
君は俺のものだから。
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西瓜(プロフ) - こもねさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉、感謝します。頂いたお言葉を励みに両作品とも更新頑張って行きますのでよろしくお願い致します。 (2018年5月17日 3時) (
レス) id: 66c14fc432 (このIDを非表示/違反報告)
こもね(プロフ) - はじめまして。西瓜さんの細かく的確な描写が大好きでいつも楽しみにしています。狂想共に更新頑張ってください！＾＾ (2018年5月16日 18時) (レス) id: b89f9c806b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西瓜 | 作成日時：2018年4月20日 21時
