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広い人口芝生の上で走り回る部員達を横目にドリンクを作る。
久しぶりとはいえマネージャー経験時代に培ったものはまだ衰えて居なかったのが少し嬉しい。
中学3年生の頃、サッカー部だった兄の夏の大会に付いて行った時だった。
暇潰しに付いて来たもののサッカーなんて興味なくてただベンチで芝生を眺めて居た私の隣に誰かが座った。それが彼だった。
「サッカー好きなん？」
「え？」
制汗剤の爽やかな匂いのせいなのか眩し過ぎる太陽のせいなのか、彼の汗すらも輝いて見えた。
「ずっと見てたから」
「うん。好き、です。」
本当は興味ないのに口から出た言葉は真逆の事で。
それを聞いた彼は嬉しそうに微笑んだ。
「そっか。誰応援しに来たん？」
「...お兄ちゃん」
「へぇ、どれやろ？」そう言って私から視線を外してグラウンドに目をやった彼の横顔を盗み見る。
かっこいい。鼻高いなぁとか顔小さいなぁとか、もみあげから顎に向かって流れる汗すらも目で追ってしまう程で。
「ん？」
「あ、いや、えっと」
「紫耀！」
「ああ、もう行く？」
同じユニフォームを着た男の子に呼ばれてそちらに向かって走る彼の背中に焦る気持ちを抑えきれなくて、とりあえず何か言いたくて
「あの！頑張って下さい！」
そう叫ぶとびっくりしたように振り向いた彼に自分でもどうしたらいいのか分からず控えめに手を振ってみると
「ありがとう！」
眩し過ぎる程の笑顔を見せた彼が大きく手を振った。
一目惚れなんてあり得ないと思ってた。けど...だけど、私のそんな考えはあの夏空に浮かんだ飛行機雲と共に簡単に消え去った。
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西瓜(プロフ) - こもねさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉、感謝します。頂いたお言葉を励みに両作品とも更新頑張って行きますのでよろしくお願い致します。 (2018年5月17日 3時) (
レス) id: 66c14fc432 (このIDを非表示/違反報告)
こもね(プロフ) - はじめまして。西瓜さんの細かく的確な描写が大好きでいつも楽しみにしています。狂想共に更新頑張ってください！＾＾ (2018年5月16日 18時) (レス) id: b89f9c806b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西瓜 | 作成日時：2018年4月20日 21時
