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連日の暑さに頭から湯気が出そうになる。
まだ7月だと言うのにこんなに暑くて大丈夫なのだろうかとどうしようもない心配をしてしまう程だ。
「お疲れ様でした」
非常勤講師である私はこの高校の担当でない日は英会話教室で講師をしている。
今日はたまたま高校の授業と英会話教室の夜の授業が被ってしまい大荷物になってしまった。
それに重ねて離れの視聴覚室に資料を置いたままにしてしまっていたことに気付く。
ついてないな...なんて思いながら重い荷物を抱えて視聴覚室から出ると渡り廊下に続く階段に差し当たったところで強い風が吹いた。
その瞬間1番上に乗せていた資料が音を立てて次々と宙に舞う。
「もう...」
慌てて取りに行こうと階段を駆け下りるとあと少しのところで荷物の重さでか前にグラッと体が傾く。
転けると覚悟した瞬間優しく体を受け止められたと同時にふわりと香る爽やかな制汗剤の匂い。
「あっぶな」
顔を上げると部活前なのかユニホーム姿の永瀬くんが目の前に居て、彼の腕がお腹に回っている感覚で状況を把握する。
「ご、ごめんなさい！」
申し訳なさから慌てて彼から離れる。
「大丈夫でした？」
「うん、全然。永瀬くんのおかげで助かった」
衝撃で手から離れた荷物の山を彼が拾い集めてくれているのを見て急いで自分も加わる。
「ありがとう」
「先生意外とドジなとこあるんですね」
彼がからかう様にはにかむ。
一気に恥ずかしくなり顔に熱が集まるのが分かる。
「たまたまだよ、たまたま」
苦しい言い訳をして飛んで行った資料を探す。
「はい。これで最後やと思います」
「ありがとう」
見上げようとすると、しゃがんでいる私に合わせてわざわざしゃがみながら彼が資料を手渡してくれる。
彼の背後からジリジリと日が差す。何処と無く彼が眩しく見える。
「気を付けて下さいね」そう言ってグラウンドへ戻る彼の背中を、見かけによらずしっかりとした体だったな...なんて思いながら目で追う。
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西瓜(プロフ) - こもねさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉、感謝します。頂いたお言葉を励みに両作品とも更新頑張って行きますのでよろしくお願い致します。 (2018年5月17日 3時) (
レス) id: 66c14fc432 (このIDを非表示/違反報告)
こもね(プロフ) - はじめまして。西瓜さんの細かく的確な描写が大好きでいつも楽しみにしています。狂想共に更新頑張ってください！＾＾ (2018年5月16日 18時) (レス) id: b89f9c806b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西瓜 | 作成日時：2018年4月20日 21時
