さよならホワイト２ (ページ6)

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懐かしい人ページ6

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『8…、9…、…っ10！』

トレーナーの関口さんの声でアップを済ませ、休憩に入る時だった

？『あれっ、涼太んとこの部の、、

えっと確か…』

プロテイン片手に俺に話しかけてきたいかつい彼

亜『白濱です。白濱亜嵐

…龍友くん、だよね？涼太と同じクラスだった』

もう5年にもなるのに

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お前はいつになったら

龍『そうや！アランくんや！こんなとこで会うなんてなぁ笑』

亜『龍友くんも鍛えてるんだ
すっごいね、肩(笑)』

龍『ありがとう…笑
あっ、そや
トレーナーさん待たせてるんやったわ、ほな！』

嵐のように過ぎ去って行った逞しい龍友くんの
背中をみつめながら

涼太を思い出していた

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俺の中にはいつも涼太がいて、消えない

5年前、東京に行ったっきり連絡がつかなくなった

正確には、高校卒業の年の春

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俺はAに会いにくると思ってたよ

高校の卒業式

待っていた俺らの前に涼太は姿を現さなかった

それから数年後

爆発的に大ヒットした大人気マンガの実写化が決定し、その主演に選ばれたのが涼太

そこからの飛躍がすごかった

撮影に取材にテレビ出演、映画を中心に活動する俳優、として名の知れた人物になったかと思えば

音楽の才能を発揮して

今度は音楽の世界に転換

ほんとにやりたかったのはこっちなんです、

と笑顔で語る涼太をテレビ越しで見た

ピアノが弾けるのにも関わらず、
披露するのは歌の方

あんなにも度胸があったのか、とびっくりするほど

様々なステージで成功をおさめていった

日本中が、片寄涼太に期待して

それに応えるように彼はなんなく活動をこなしていった

それでも無理をしすぎるのは、やっぱり涼太の性格で

昔から知っている部分を見つけては、

知らない人間になっていく涼太に安心感を覚えた

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こんなの普通じゃない
そんなの分かってる

それでも連絡を取らないのは

俺も涼太を待っているから