さよならホワイト２ (ページ39)

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追い風ページ39

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マネ『片寄君は通勤通学も全て電車だったね、それまでは歩き？

駅までは任せて、車で送っていきます

そこからは新幹線で行きなさい』

何よりも力強い味方が隣に居たことを

俺は

失ってからはじめて気づく

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3月9日

「…晴れた」

カーテンの数㎝の隙間から漏れた光が

俺の手によって部屋全体に広がった

全国的にも快晴で、きっとAのいる街も同じような青空が広がっている

朝のニュースを見ながらそんなことを思って支度を急いだ

今日は8時からの早朝出勤

マネージャーに無理言って開始時間を早めてもらったのだ

相手側も気前のいい方で

効率よくパパッと終わらせちゃいましょう、と

周りの環境に助けられた

それだけが救いだった

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予定通り、マネージャーの車に乗せてもらい事務所の最寄りの駅に向かった

その時の、車内での会話は

忘れるわけない

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忘れてはいけない

…

…

…

先に口を開いたのは、

マネ『………何の為に』

「？」

マネ『何の為に片寄君がそんなに必死になるのかは

正直、興味ないけど…』

「はは、興味ないんすか(笑)」

マネ『まあ、はい。

でも、

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何かを追いかける姿は

かっこいいです

今しかできないことを全力でやってるみたいで』

その言葉が、

最後だったかな

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駅までの道をいつもとは違う近道で走ってくれた
マネージャーの車は

俺たちの乗っている黒いバンは

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交差点の真ん中で

右方向から猛スピードで走ってくる
赤信号を無視した非常識な車と

…

…

…

「衝突した際、運ばれた俺は既に意識がなくて…」

A『交通……事故、』

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覚えてないんだ

全て

たった一つ、心の中に残っていたマネージャーの
言葉を思い出しながら病院の個室で聞いた事実は

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同乗していたマネージャーは

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即死だった