さよならホワイト２ (ページ25)

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覚悟ページ25

亜【来月は忙しいっていってたよね、
12月のどこかで時間合わせれたりする？】

昨日ぶりの亜嵐くんからのLINEが入ったのは夕方

何日間かもつから、つい作りがちなカレーを
煮込む火を止めて返信をした

【12月も忙しいから分かんないけど、予定わかったらすぐに送るね】

ちょっと素っ気ないかな、とも思いつつ

すぐにピロンと鳴る携帯にもう一度目を移す

亜【了解！年末だもんなー。できれば25日！希望！】

「………クリスマスじゃん…。」

一人暮らしの家に響くこともないくらい
小さく呟いた声は静かに消えた

亜嵐くん、彼女いないのかな

確かに、スケジュール帳を確認すると土曜日の25日は何も予定がはいってなかったけど…

いいのかな、私なんかと過ごして

あんなに呑む約束をして会ってはいるけど
男女のそうゆう、恋愛関係とかは一切話したことがない

私は涼ちゃんのことがあるからだけど、

亜嵐くんのそういった浮いたお話はめっぽう聞かない

え、ソッチ系？

いやいや、ないないない

首を横にブンブンと振りかざしてカレーの味見をした

「あ、今回うまくできたかも」

まだあったかいルーが冷めないうちにご飯を装って

いただきます

25日の予定に亜嵐くんとの約束を書き込んだ

alan side.

『・・っうっし！』

ガッツポーズを決めたところを数人の同期に見られてやや羞恥心

Aからの返信をみた昼休憩

健『せんぱぁーい、イキイキしてますね』

向かい合って座る後輩の健太につっこまれたけど
深くは掘り下げられるのを阻止して話題を変えた

亜『そういえばあれ、どうなった？中目黒の物件』

健『それがなかなか売れないんすよ～！亜嵐さんのお力を貸していただきたいっ！』

亜『いや自分で頑張れよ笑』

味噌カツ定食を頬張りながらうろたえる健太を前に、クリスマスのプランは頭ん中で着々と創り上げられていく

振られるの覚悟で

いつぞやの陽ちゃん、だったっけな
そんなような名前のAの友達が

言ってた言葉

関係を変えるのを怖がってたら何も始まらない

壊してでも奪いに行く

そう誓った強気な俺は歳を重ねる度に

どんどん弱気になっていってる気がする

責任、とか

立場、とか

お互いがお互いを思い合って前に進めないのなら

それは邪魔な障害物でしかないけど

今できる全力をAにぶつけたい