幸せな家族のはなし３ (ページ34)

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［８－２］ページ34

和也side

「よし、電気消すよ」

「はーい」

みんなそれぞれ2階の部屋から選んだ寝室。

俺と潤は相も変わらず
2人でひとつの部屋を選択した。

家でもそうだし、別にこんな日だからって
特別離れて寝なくていいよねって。

まあその代わりダブルベッドに2人で
寝なきゃいけないけど、

昔はそうやって寝てたから
問題はないってことで即決定。

むしろそれが懐かしくて俺も潤も
ちょっとソワソワしちゃってるくらい。笑

「明日は何時？」

「8時。それで12時過ぎに出るって」

「叔父さん、15時から学会があるんだっけ。
なんかいつもだけど、早いなぁ」

「そうだね。久しぶりに会えたからかも。
また次会うのは、半年後？」

「ん。半年後。
あー、まだ全然遊び足りない」

隣で天井を眺めている潤が
少し寂しげな顔をして今日を振り返っていく。

だから俺も同じように天井を見上げて。

「俺ら、もう昨日の晩からうるさかったよな？」

「うん。あれ和臺僂世辰拭
それで朝も変に早くおきて」

「翔にぃじゃなくて代わりに
雅紀にぃと智にぃが起こしに来てくれて」

「今思えば、雅紀にぃはともかく
智にぃもテンション上がってたね。笑」

朝からはしゃいで、車の中で古今東西して
デカすぎる別荘に驚いたら叔父さんと再会して。

雅紀にぃとビーチバレーボールで遊んで、
りんごジュースで乾杯して、それから……

美味しかったご飯にも頬を上げて、
ババ抜きではお腹を抱えるほど笑って。

それから確か花火なんて記憶も
あったか、なかったか。

とにかく久しぶりに、
家族全員で全力に満喫した1日だった。

こうして振り返ればどれも深くて濃厚で、
だからこそ時間はあっいう間に過ぎていく。

でもきっとそれくらい叔父さんと兄弟との時間は、
大切であたたかくて、居心地がいいんだと思えた。

「ね、潤」

「ん？」

「今日も、楽しかったね」

ごろん、と寝返りをうって潤の方へ体を向ける。

そして胸をいっぱいにしていく
切なくも幸せな思いを口にすれば
潤は優しく微笑んで、こくんと頷いた。

「おう。すっげー楽しかった」

ああ、イケメン。

顔だけじゃないよ。全部。

なんでうちの弟って全部がかっこいいのかな。

もちろん抜けてるとこもある可愛さもあるけど。

でも俺と違って照れることも素直に言えるの。

それは末っ子だからか、ううん。

多分潤が元々持ってる
＂カッコイイ＂って部分だからだと俺は思う。