［１−１０］ ページ10
雅紀side
「潤、熱は？」
「さっき測ったら37.5だった。和は？」
「俺も同じくらい」
「そっか。他は？ どっか痛いとかある？」
「大丈夫。潤の方こそ」
「ううん。俺も熱だけ」
「ならよかった。早く治さなきゃね」
「うん。あ、和ちゃんとご飯食べたか？ 薬は」
23時。
薬のおかげか微熱まで下がってきた双子が
入れると言うから軽くシャワーだけ浴びさせて
和室の並んだ布団へ寝かせる。
明日、学校に行くつもりの2人には
そろそろ寝てもらいたいと思ってるけれど。
結構寝て体も楽になったからか
もうずっとお互いの心配をしてる。
兄としてはお互い心配し合ってるのは
大変微笑ましいんだけど。
若干ふたりともテンションが上がっちゃってるから
そろそろ落ち着いてほしい。笑
「はーい和も潤もそれくらいにしてくださーい」
そんな時に交代でお風呂から上がってきた
翔にぃの声。
同時にふたつの顔が上がる。
「えー。だいぶ元気なんだよ？」
「空元気になるからだぁめ。
明日学校行くつもりならもう少し大人しく。
特に潤。朝練は無理だけど部活行きたいんでしょ？」
「うん」
「ならそのテンションは抑えてください。
話しちゃダメとは言わないから。分かった？」
「はぁーい」
「ん。分かった」
「それでよし」
翔にぃの言葉に頷いた双子は会話は止めないにしろ
さっきみたいなテンションじゃない。
ほんとすごいな翔にぃは。
俺が言っても絶対無理だ。
むしろ一緒に騒がしくしかねない。笑
「明日、昼休みにさ」
「おっ、いいよ。俺も行く」
「ん。ありがと」
和も潤も。
お互い一緒になった途端
安心して元気になっていってる。
やっぱり、少なからずあるんだろうね。
双子っていう、他の兄弟以上に通じるものが。
ふと、智にぃと翔にぃを見れば
ふたりとも微笑ましく双子を見守っていた。
なんか……
お父さんとお母さんみたいだな。笑
そう考えてしまったら面白くて
思わずふふって笑う。
そしたらふたりともこちらを向いたから、正直に
それを伝えてみれば「なんだそれ」と笑っていた。
ー 翌日
「じゃあ、行ってきまーす！」
「行ってきます！」
玄関から聞こえた元気な双子の声。
あれから見事にふたりとも回復し、
結局は学校も休むことなく今日も元気よく登校だ。
うん。早く治って本当に良かった！
「ふたりとも、いってらっしゃい！」
季節の発熱［END］
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作者名：あやりゅ。 | 作成日時：2019年6月19日 0時
