［５−７］ ページ47
和也side
「はぁ。しょーがないなぁー」
まぁさっきまで俺にずっと
付き合ってくれていたし。
今日くらいは許してあげようか。
それにしてもこの密着度はどうなのよってなるけど。
凄い近いしピッタリくっついちゃってるんだよ。
なんかもうそれが逆に寝づらそうで
休まらない気さえするんだけど。
すやすや完全に寝落ちた智にぃのまるい頬を
またつんつんと押してやる。
けどさっきみたいな反応はなく、
ただただ俺をぎゅっとしてるだけ。
「……んま、別にいいか。それくらい」
近い距離には慣れてるし、智にぃが
これで眠れてるならいいや。
それに最近、また仕事も増えたらしいし、
家のこともしてくれて疲れてるだろうから。
もぞもぞっと動いて、手を伸ばし、
タオルケットを捕まえる。
それから智にぃも入るようにかけてから
俺は力の入っていない二の腕に頭を置いた。
「ふぁ……ふ」
あー。
やっぱり俺も眠くなってきたかも……
智にぃの胸の音がトク、トク……って暖かい。
優しい匂いと、心音、そして暖かさの空間に
だんだん、だんだんと俺の瞼が下がってきた。
智にぃ。
いつも、お疲れ様。
「すぅ……」
腕を回してくれている智にぃの
服を控えめにつまんでおく。
ちょっと恥ずかしいけど、
今日は智にぃとふたりきりだから。
今なら智にぃは俺だけーって、
ひとりじめしちゃうのもアリでしょ？
寝息をついて口が開いた智にぃは
童顔のせいで寝顔が実年齢より幼く見える。
俺はそんな智にぃの胸元へ顔を寄せ、
眠りについてしまうまで、優しい鼓動を聞き続けた。
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作者名：あやりゅ。 | 作成日時：2019年6月19日 0時
