［２−２］ ページ12
智side
朝、いつものように翔の部屋へ行って、
翔と顔を合わせたときは本当にびっくりした。
だって、まずそもそも
ドアを開けた先に翔がいなかったんだもん。
それでドアの足元付近へ目線を移してみれば
あらびっくり。
壁にもたれて座り込む翔がいて。
それも真っ青。
顔面蒼白のまま泣きそうな顔で
俺の事を見上げていた。
だから俺も慌てて翔を寝かせて
雅紀を起こしに行ったんだけど。
「雅紀、和も潤もありがとうね。
じゃあ先にご飯食べてて」
「はーい」
翔を寝かせて雅紀達に手伝ってもらいながら
簡単に朝食を用意したあと、2階へ戻る。
さっき雅紀が覗きに行ったら
起きてたって言ってたけど大丈夫かな。
薬が効いてるとだいぶ楽だと思うんだけど。
あ、あとで翔の会社に連絡しなきゃ。
2階に上がってから廊下を進み、
翔の部屋を一応ノックしてからドアを開ける。
ガチャ
「翔、調子は……え？」
「あ、智にぃ。
薬効いてだいぶマシになったよ」
ドアを開けた先にはさっきみたいに
座り込んでいない、すでに起きている翔の姿。
いや。
それどころか……
「なんで着替えてるの？」
「え？ 着替えなきゃ仕事行けないじゃん。笑」
「え？ 仕事行く気？」
「もちろん」
なんの違和感もなく返事した翔に
思っている言葉が出てこない。
嘘でしょ？
だってマシになったって言っても
さっきよりはってことで今も顔色悪いんだけど。
こっちは当たり前に休ませるつもりだったんだけど？
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作者名：あやりゅ。 | 作成日時：2019年6月19日 0時
