大きな潤色は蜜の味 O ページ21
「じゃあ行きましょう」
最終確認を終え、ニノの合図で全員が立ち上がり荷物を取る。
12時20分。予定通りに出発だ。
俺と松潤は先に家を出て黒い軽自動車へ乗り込む。
俺は必要以上の荷物を後部座席へ乗せて助手席のドアを開ける。
運転してくれる松潤は既にキーを入れてエンジンを掛けており、俺がシートベルトを付けたのを見たあとアクセルを踏んだ。
ニノ達は機材が乗っているワゴンで移動。
最終確認したあとすぐ追いついてくるだろう。しばらくすれば連絡がくる。
頭の中はクリアにして流れていく町を見つめる。
そして隣で気負ってしまっている男に声をかけた。
「松潤。そのままじゃもたないよ」
「……ごめん。考えてるとつい」
相変わらず真面目な彼にふふっと笑う。
松潤はそのまま苦い顔をして前髪をかきあげたあとゆっくりと深呼吸した。
ここから1時間の移動。
休憩はせずそのまま現地に向かうため上手く集中力をコントロールしてないといけない。
分かっていたって人一倍真剣な彼には難しいみたいで。なかなかいい緊張感ってやつを持続させることが出来ないらしい。
それでも作戦が始まれば生死がかかっている。
いざというときに最高の仕事をこなすためにも、今無駄な集中力を使わせることは良くなかった。
「大丈夫だよ。ニノも言ってたでしょ？ 心配してないって」
「ん。そうだね」
「緊急だけど翔くん達も援護してくれるし、いつも通りいこう」
「うん」
普段はほとんど喋んない俺だけど、気負ってしまう仲間に声をかけることまで流すわけじゃない。
今の松潤の気持ちも分かるし、俺達じゃなきゃ声をかけ合えないのも知っているから。
ジジ……
『えー。てすてす。聞こえてますか〜？ 櫻井です』
「あ、翔くん。聞こえてるよ〜」
『良かった。こちらの準備も整いましたので今から追います』
「了解」
『あ、そうだ。相葉くんがカバンにコーヒー入れてあるから良ければどうぞ、とのことです。それじゃあとで』
機械混じりの翔くんの声が消えたあと、カバンを探れば魔法瓶を発見。
いつの間に入れてくれたのか。
「松潤、コーヒー飲む？」
「ありがとう。貰おうかな」
運転する松潤の表情はさっきより落ち着いて強ばりが抜けている。
これなら大丈夫そうかな。
うん。それでいい。
ニノじゃないけど俺もみんなも、松潤なら大丈夫だって信じてるから。
もちろん。いざとなれば助けるつもりで。
続く
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あやりゅ。(プロフ) - えべすさん» えべすさん！コメントありがとうございます(^▽^)oとても嬉しいご感想、これからの励みにもなります！この先も遅い更新だとは思いますが、頑張ります！ (2019年5月1日 20時) (
レス) id: 9eb6dfdccb (このIDを非表示/違反報告)
えべす - とてもワクワクしながら読んでいます。大変だと思いますが､尊敬しております(^^)v (2019年5月1日 10時) (レス) id: 0ca7106291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやりゅ。 | 作者ホームページ：http://ayaryu
作成日時：2018年7月5日 2時
