櫻と葉っぱの栞 A ページ3
「はぁー疲れたぁ」
「3日張り込んだもんねー。帰り何処か寄って食べて帰る？」
「いいね。俺ラーメン食いたい」
「あ、俺も。確か近くに美味しいラーメン屋さんあったな」
「じゃあそこで。
でもとりあえずその前に着替えていい？ 流石にこの格好じゃお店入れないから」
苦笑いする翔ちゃんの上着は返り血がべっとりと付いている。
ターゲットの始末は距離があったけど流石にさっきのは防げるわけがない。
車に付いてから俺はすぐにトランクの中から着替えを取り出し、それからあらかじめ用意しておいた蒸しタオルも一緒に翔ちゃんへ渡す。
一旦後部座席で着替える翔ちゃんを横目に俺は運転席へ乗り込み、軽い報告をメッセージとして連絡先へ送った。
「あー、温泉入りてぇ」
「まだ2時だからやってないんじゃない？ どうする、先に帰ってシャワー浴びる？」
「いや、先食べてからにする。これありがとう」
「はーい、そこ入れといて？」
着替え終えた翔ちゃんが助手席に乗ったのを確認してエンジンを掛ける。
そして顔や首、腕に飛んだ血を先程渡した蒸しタオルで丁寧に落とした翔ちゃんに、タオルを袋の中へ入れてもらうよう指示しながらアクセルを踏んだ。
「連絡は？」
「さっきした〜。けど多分寝てるから返事きてないと思う。これ」
「どれどれ」
前方を見ながら先程送ったメッセージを見せるために翔ちゃんへ携帯を渡す。
車は古いビルが並ぶ町を抜け出し、煌びやかにネオンが光る街並みを素通りしていった。
「え、きてるよ」
「え、本当？」
「うん」
「なんて？」
「《了解、お疲れ様です。》 だって」
「へぇ、起きてたんだね」
「まー3日張り込んで深夜に動いたからね。心配してくれてたんじゃない？」
「ありがたいねぇ」
2人してまさかのメッセージの返事に微笑み合いながら、老舗で賑わう小さな通りへと進める。
少し入り組んだ細い道を行けば、こじんまりとした黄色い暖簾が掛かるラーメン屋さんを見つけ、路地の端へ車を止めた。
「到着〜」
「ありがとうー。あ、めっちゃいい匂い！」
「でしょでしょー？」
疲労していた翔ちゃんも外へ出た瞬間に香るラーメンの匂いに少し声に元気が戻る。
それに少し笑いながら俺もその匂いに空腹を刺激され、食欲をそそられた。
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あやりゅ。(プロフ) - えべすさん» えべすさん！コメントありがとうございます(^▽^)oとても嬉しいご感想、これからの励みにもなります！この先も遅い更新だとは思いますが、頑張ります！ (2019年5月1日 20時) (
レス) id: 9eb6dfdccb (このIDを非表示/違反報告)
えべす - とてもワクワクしながら読んでいます。大変だと思いますが､尊敬しております(^^)v (2019年5月1日 10時) (レス) id: 0ca7106291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやりゅ。 | 作者ホームページ：http://ayaryu
作成日時：2018年7月5日 2時
