五人の時 S ページ12
「……後始末しに行った奴が見つけて、そこの事務所からどういうことだって3時間のお電話頂いたんです」
「3時間？！ え、ずっとニノちゃん対応してたの？！」
「ええ。こっちは事情聞くから待てって言ってんのにいつまでもグチグチグチグチ……
仕方ないからあらかじめ俺が現場に仕掛けておいた盗聴器を取りに行って、事情を把握したんです」
「取りにって、ニノが？！ 往復2時間もあるよ？！」
「はい。2人共疲れてるでしょうし、そもそも言うの忘れてたんで。
それから1時間相手に説明したんですけど、最後はイチャモン付け始めたんで、頭も回らないし強引に切ってやりました。
それで寝落ちて今です」
「それは……お疲れ様」
「2人とも、今回はちゃんとニノの言葉聞こうね」
「はい。本当に申し訳ないです」
「本当にごめんなさい」
大野さんが声を掛けて松潤がニノへコーヒーを差し出す。
ニノの話からして、深夜2時から3時間の電話対応。それから往復2時間掛けて盗聴器を取りに行って、また1時間の電話……
つまり切って寝落ちたのが8時過ぎ……
全く頭が上がらない。
思わず俺と相葉くんは流れるように椅子から降りて床に膝を付いて手を置き、しみじみと頭を下げた。
「やめてくださいよ。
大体緊急時の想定をしてこなかった向こうにも落ち度があるんです。この仕事に順調なんてないんですから。派遣切りですよあんな組織」
「いや、でもそれはさ」
「それに、さっきはああ言いましたけど、2人に怪我がないならそれでいいです。
あ、ちなみにあの男は息絶える直前のターゲットに撃たれた事にして片付けましたから」
「ニノ……いや、二宮さん！！！」
「2人にはひとつ、貸しですからね？」
サラリと仲間の尻拭いまで果たし、心配まで掛けてくれるニノにまた頭を下げる。
それだけで気持ちは伝わったのか、少しだけ穏やかに笑ったニノは少し欠伸を噛み殺して、松潤達の今朝の調査の話へと移った。
「……相葉くん」
「なに？」
「今回の仕事、きっちり最後までやり遂げよう」
「そうだね。引き締めないとね」
メンバーからの愛ある思いを受け止め、再々度相葉くんと固く約束を交わす。
そして裏方を徹底的にサポートしてくれたニノへ、この仕事が終わったらこの前見つけた美味しいハンバーガー屋さんに連れてってやろうと心に決めた。
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あやりゅ。(プロフ) - えべすさん» えべすさん！コメントありがとうございます(^▽^)oとても嬉しいご感想、これからの励みにもなります！この先も遅い更新だとは思いますが、頑張ります！ (2019年5月1日 20時) (
レス) id: 9eb6dfdccb (このIDを非表示/違反報告)
えべす - とてもワクワクしながら読んでいます。大変だと思いますが､尊敬しております(^^)v (2019年5月1日 10時) (レス) id: 0ca7106291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやりゅ。 | 作者ホームページ：http://ayaryu
作成日時：2018年7月5日 2時
