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彼の匂いを頼りに探し回った




そして見つけた





川の近くの土手で1人、体育座りをして顔を埋めていた



時々肩が揺れてる




そっと近づき、聞こえてきた声




「…ぅう……ひっく」




……泣いてるの?




彼の体に頭を擦り寄せる




「…ん?」



彼は顔を上げオレを見た




「…ぁ、猫ちゃんだ」




そしてオレをそっと抱きかかえほっぺたをすりすりとよせてきた




「…おまえ、良いにおいする、お日様の匂い」




ギュッと抱きしめられて苦しい筈なのに、何故か心地が良くて、オレも彼のほっぺたに顔を擦り付けた





「…ふふ」




あ、



こんな風に笑うんだ





「…お前も1人なの?」





「俺も1人なんだ」





彼は呟き、真っ直ぐに前を見た





「……俺も早く大人になりたい。大人になって誰も知らない所に行きたい
…俺の事なんか、誰も覚えてない方が良い」





ポロっと彼の目から涙が零れた





彼が今、なにを抱えているのか、



オレが知れる身じゃないけど、言える事は




誰も知らない所なんて




楽しくないよ?




悲しいよ?




誰かに忘れられるって





辛いよ?




しばらくの沈黙の後、彼は思い出したかのようにさっさと身支度を終え「じゃあね、」と言って帰って行った




それから彼の姿は見かけなくなり、いくつもの歳月が過ぎた





オレも、そろそろ街を離れようかと思っていた時





「あ、まだ居てた!」





今は俺の他に生き物と呼べるものが居ない訳で




この言葉はオレに向かって投げかけられた物らしい



その方を向くと、いつかのキノコ頭が目に入った





「やっほー!お久しぶり、元気にしてた?」




そう問いかけてくる彼はとても生き生きしていて



「…俺ねあの時かなりスレててさ、君の優しさにも気付けなかった。オレを寂しくさせない様にしてくれてたんだよね
ありがとう」




彼はそう言うと、ニコッと微笑んだ



土手で見せた笑顔の様に




(そっか、そんな笑顔を引き出せる程優しい人達にであったんだね)



オレはそんな彼の胸に飛び込んだ





「ははっ、相変わらず大っきいね






俺ね伊野尾慧って言うんだ、



君の名前、




よかったら教えてくれないかな」





《ヒカルと慧》fin



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大変お待たせしましたm(_ _)m

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きんとき(プロフ) - やまたかさん» コメントありがとうございます。有難いお言葉です、頑張りますので暖かく見守って下さればと思います (2020年1月23日 23時) (レス) id: 979c554592 (このIDを非表示/違反報告)
やまたか - 移行おめでとうございます!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年1月23日 22時) (レス) id: 6533d85759 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きんとき | 作成日時:2020年1月22日 23時

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