飛抹屋 part2

動き出す ページ15

薮side


侑李君や、他の涼介の友達達に色々バレてから早3ヶ月


今は蒸し暑い日々が続いている



鬼の量も比較的少なくなって、俺達も毎日出て行くことは無くなった



光｢だぁあ！ぜんっぜん分かんねぇ！｣



黙々と作業をしていた光が突然大声を出した


今俺達は村正が言っていた｢天道将鬼｣について調べている


けど、なかなか手掛かりが見つからない



俺達の権利では見る事が出来ないとかで、いつもパソコンの画面が固まる



怪しさムンムンだけど、これ以上何も出来ない事が今の現状



そんな中、カタカタと手を動かす人が1人



｢伊野尾どうよ？何か分かった？｣



伊｢……。｣



俺の問いに答えない辺り、今何か分かりかけているらしい




光｢…天道に関してそんなに調べる物ある？｣



｢分かんねぇけど、今集中力がピークっぽいし少し待っとこう｣



俺はそう言い、もう一度パソコンにある組織の幹部について書かれたサイトを開こうとした




その時だった



伊｢み、見つけた…！｣



薮光｢へ？｣



伊｢こ、これ。見て？｣



そう言って伊野尾が見せてきたパソコンの画面には



光｢『イギリス支部壊滅 支部長 死亡 死者多数』｣



｢生存者の内、支部長の妻と息子は無事…ってこれ｣


伊野尾が見せてきたのは、今から6年前に起きたある事件


飛抹屋のイギリス支部が大量に発生した鬼により壊滅した事件だった



かなり酷い事件で、襲撃した鬼を退治する為に日本からも何人か応援を送り出していたのを覚えてる



光｢でもこれがどうしたんだよ｣



伊｢ここ、見て？｣



伊野尾が指さした所を見ると、生存者の名前が載っていた


たったの数十人



その中に、どこかで見た事がある名前があった



｢岡本、圭人…？｣



光｢え！岡本圭人って涼介と同じクラスの？｣



あ、そうだ！涼介の友達だ


伊｢そう、彼はイギリス支部長の一人息子だったんだよ｣


光｢でも、彼そんな話言って無かった｣


普通辛い事をわざわざ自分から言い出す人なんて居ないとは思うけど…


伊｢あとこれも見て｣


そう言って伊野尾が見せてきたのは

イギリス支部での生存者たちの名前が連なってるページ


その横の欄には全員｢現在行方不明｣って書いていた


ん。全員？！


｢、、全員って！｣


光｢彼は確かに俺達の前に居たぞ？！｣


伊｢そう、問題はそれだけじゃないんだ｣


そして次に伊野尾が出してきたのは、ホッチキス止めをされた少し古びた資料だった

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